Sami Kohenコラム:キプロス交渉、まだ望みはある

2016年04月01日付 Milliyet 紙
3月が終わり4月に入ってもなお、キプロス交渉は継続中だ…。
これはいい知らせだ。しかもキプロスから届いた唯一のいい知らせがこれなのだ…。
何ヶ月も続くキプロス交渉に対し、以前から明確な期限は定められていなかったにもかかわらず、トルコ側は3月を目処に考えていた。つまりそれまでに一定の合意に至らなかった場合、両者は再度交渉の席にはつかず、誰もが自身で選択することになるはずであった…。

いやしかし、そうはならないだろう。なぜなら交渉は未だ継続している。交渉を進める関係筋から聞いたところによると、トルコ系住民とギリシャ系住民の両者が交渉継続を「決定」しており、この問題に直接的あるいは間接的に関わっている国々も交渉継続を「フルサポート」する考えを示しているという。
今回の投機的な予測は、このコラムの冒頭まで交渉人たちが話し合いの席についているとした上でのものだ。そしてこの予測は、両者が楽観的に示したものである。
この楽観的な予測に関しては、国連やEU、そしてアメリカに至るまで、関係諸国や組織にも共有されている。例えば、メヴリュト・チャヴショール外相とアメリカの担当者であるジョン・ケリーがワシントンで行った会見後に出した声明では、キプロス問題における交渉は「順調に進んでいる」ことが述べられ、そして「今年中の合意」が予想されるとも発表されている。

■深く、そして静かに

北キプロス・トルコ共和国のムスタファ・アクンジュ首相とキプロス共和国のニコス・アナスタシアディス大統領が去年から開始したこの交渉プロセスは、両サイドの交渉責任者であるオズディル・ナミ氏とアンドリース・マヴロイアニス氏により「静かに」進められている。
どうやら、これまで議論されてきた4つの議題、あるいは書類上での合意には、近い段階まで達したようだ。ここに至るまでの間、非常に難しい問題である財産権についても大きな進展があった。(しかし)まだ厳しい議論が必要とされる2つの分野がある。1つは土地、そしてもう1つが保証という2つの厄介な問題だ…。
これらすべての議題を含む包括案が合意に達するためには、カットすべき長い道のりがまだある…。しかし今は、両者やその他の関係諸国もこの交渉に対して「期限」を明示することより、このプロセスが順調に進んでおり、希望的であることを強調するのを優先しているようだ…。

■ラストタンゴ

何年もの間、様々な政権下で交渉プロセスは進められてきたが、これらは全く解決に至っていない。今回はそれを打破できるだろうか。
今回は、希望的な要素がある。両者には、揃って解決を力強く望む和解のプロが率先して交渉に取り組んでいる。キプロス共和国における経済危機や、北キプロス・トルコ共和国における分離に対する不満、地域の混乱と不安定な状況、さらには地中海東部における天然ガス資源の発見が解決に向けた強いモチベーションを形成している。
これらの条件が、「交渉継続」の要望と解決への希望に息を吹き込んでいるのだ。


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翻訳者:指宿美穂
記事ID:40189