女性たちの出馬
投票〔※「立候補届け出」の間違い〕の初日を迎えて数時間が経ったときのこと、ある女性が内務省選挙実施本部を訪れ、居合わせた記者やカメラマンらの注目を浴びた。
イスラーム法学・基礎法学の分野で博士号を取得したというエスマト・サヴァーディーは、専門家会議選挙にテヘラン選挙区からの立候補の意思を表明した最初の女性である。
国家選挙実施本部の本部長によると、立候補の届け出が最終的に締め切られるまでに、16名の女性が専門家会議選挙に立候補を届け出たとのことである。そうした女性の中には、ソマイイェ・タフマーソビー(国民信頼党のメンバー)やセイエデ・マルズィーイェ・ハーシェミー=ジューイバーリー(イスラーム神学校の講師で、各大学に派遣されている最高指導者代理らをまとめる団体の広報担当者)、アッザム・ターレガーニー(イスラーム革命女性協会総書記、第一期国会議員)、ロフサーネ・サラーヒー(アラブ文学博士)らがおり、彼女たちはテヘラン選挙区からの立候補を表明した。
他の州に在住の女性たちも「キャラバン」に乗り遅れまいと、首都在住の女性たちに伍して、立候補の届け出を行った。例えば、ファールス州からはターヘレ・ボランドエグバール(殉教者エグバール「コーランと預言者一族」文化協会所長)が、またコルデスターン州からはセイエデ・トウビー・ホセイニーが、ゴレスターン州からはエシュラト・セラーヒーが、エスファハーン州からはアフサーネ・ホダーラフミー=ヤルダージーとザフラー・メフラービーが、ホラーサーン・ラザヴィー州からはハリーメ・サフダリーが、ハメダーン州からはターヘレ・サーダート・アブタヒーが、ザンジャーン州からはハラジーが、それぞれ専門家会議への進出を試みた。
女性らが立候補の届け出をしたとの報道に伴い、〔国の〕意思決定機関の一つへの女性の進出という、以前からある問題が再び取り沙汰されることになった。一部のメディアは前回までの専門家会議〔選挙〕にも女性が立候補を届け出たことがあると指摘した上で、女性は「レジャール」には含まれないと解釈されていることから、女性が専門家会議に出馬することには問題があると強調したのである。
※訳注:「レジャール」(rejal)とは「国家の要職に就いている者たち」「高官ら」「名士たち」を指すとともに、「男性たち」を意味する言葉で、一般に女性は含まれないとされている。なお、女性は「レジャール」には含まれないとされていることが問題となっているのは、専門家会議選挙ではなく、大統領選挙をめぐってである。憲法115条には、大統領は「宗教的ならびに政治的レジャールの中から」選ばれなければならないと明記されており、これを根拠にこれまで女性が大統領選挙に出馬することは認められてこなかった。しかし専門家会議の被選挙人については、レジャールであるかどうかは条件となってはいない(憲法には、専門家会議議員になるための資格は専門家会議選挙法によって規定されるとされ、そこには性別に関する規定は存在しない)。
つづく