ドイツ:難民の間で広がるキリスト教への改宗(4)
2016年07月11日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ドイツで広がる難民の改宗 信条の自由を保障する国における個人的な試み(4)
【ベルリン:イーマーン・ムルーク】
ソフィヤーン氏は、キリスト教への改宗を勧める試みに晒されていることを否定した。しかし、特別な事情を口にする他の難民たちもいる。それは、たとえばイランやアフガニスタンから来た人々である。彼らには、宗教政権からの逃避や母国における非人道的な扱いなど様々な動機がある。
アディーブ氏(24歳)は、シリアのアレッポ市出身のムスリム青年であり、彼もまた教会の支援活動の受益者である。彼は、知り合いのイランやアフガニスタン出身の難民たちの経験と彼らのキリスト教への改宗の動機について、こう語った。「一部のイラン人やアフガニスタン人のキリスト教への改宗の背景にある動機は、滞在許可を得ることではありません。彼らがドイツの人々から施してもらった、人道的な待遇が理由なのです。」
■数々のよく似た話
ベルリン近郊のとある教会で、何人かの難民申請者の洗礼の儀式が行われた。ヌーリーはその中の一人だ。ヌーリーは30歳のイラン人青年で、キリスト教への改宗の動機はドイツに残る可能性を高めるためであることを否定する。彼はDWアラビックに対してこのように語った。「キリスト教は私にとって新しいものではありません。私はイランでムスリムとしての生活は送っていませんでした。お酒を飲んでいましたが、聖典〔クルアーン〕も持っていました。」自ら納得して改宗を決意したこのイラン人青年は、さらにこう付け加えた。「自分で始めたことは最後まで成し遂げたいと思ったのです。」
このような話題について語ることを完全に拒む難民たちもいた。語ってくれた人たちもまた、自分の身元を明らかにすることを拒んだ人はもとより、イランにいる家族に悪いことが降りかかることを恐れていた。そのため、洗礼の儀式や誓約書に本名が用いられないことがある。
これら難民たちが語る話のほとんどは似た点を示している。それは、彼らの言葉によれば、彼らがもともとイスラーム教の原則に従ってはいなかったということだ。「私たちは宗教的な義務行為を行っておらず、イスラームの教えに従っていませんでした」と、あるイラン人の28歳の難民は語った。また、同じくイラン出身のもうひとりの難民はこう述べた。「イランでは宗教は束縛により支配されていますが、ここではそのような束縛は一切ありません」。(Deutsche Welleより)
(おわり)
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翻訳者:阿部光太郎
記事ID:40886