Taha Akyol コラム:欧米諸国を納得させるには・・・・
2016年08月04日付 Hurriyet 紙
トルコが抱えている問題を西側に説明するのはたやすいことではない。野蛮なクーデターを退けた国として正当な評価を期待する中、批判を受けている。
トルコが問題を西側へ説明する必要があるならば、その表現と方法もトルコが見つけなければならない。この表現と方法は、報道メッセージとやりあってはならない。
欧州議会事務局長トルビョルン・ヤーグラン氏がトルコを訪問し、会見を行ったのは、西側に問題をどのように説明できるかという点でよい例である。
■ヤーグラン氏の会見
ヤーグラン氏はトルコをよく知る、2010年まで公正発党(AKP)政府のEU基準に基づくリベラル化改革を援助・支援した著名な政治家である。権威あるノーベル委員会メンバーでもあり、人権擁護家である。イスラムフォビアと戦う人物でもある。
ヤーグラン氏はトルコでギュレン教団に関して「公的機関の浄化」が必要であるとのべ、次のように続けた。「トルコの諸機関内でギュレン教団がどれほどいるのかが、ヨーロッパ一般では理解されていないのは明らかである。しかし重要な点は、このプロセスで講じられる措置が欧州人権裁判所の決定に沿う形で行われなければならないことである。」
つまり、トルコは、クーデターと、その痕跡と、公的機関での秘密組織と戦っていくだろう。しかしこれを、法に、欧州人権裁判所の原則にのっとって行わなければならない。
■法遵守
トルコがクーデターと戦うなかで権威主義的仕組みに向かっていくという疑念は、われわれの抱える問題を説明することをより困難にしている。トルコは、発言、行動が欧州人権裁判所の法規則にのっとってさえいれば、西側で今よりもより広範な人びとに訴えかけ、問題を説明できる。
そのようにして、トルコに対して偏見しかもっていない人々や極右派の人々に対抗しうる。
つまり、ヤーグラン氏のような人権擁護家が「公的機関の浄化が必要」と述べているのだ。
しかしこれが大規模となり、2万6千人が拘束され1万3千人が逮捕される状況は、クーデター以前から批判されていた政府の態度について、ヤーグラン氏のような肯定的な人々にさえ緊張感を生じさせ、「欧州人権裁判所の法規則の遵守」という警告を生んでいる。
■非常事態宣言
読者たちは非常事態宣言の政令の法的状況を尋ねてくる。憲法に基づけば、この政令について憲法違反裁判を起こせない。
しかし、憲法裁判所は明確な決定をくだしている。非常事態宣言下で発令された政令は、非常事態宣言中にのみ有効である、非常事態宣言が解除されれば、これらの政令も無効となり、もはや「罪状なしの30日間拘束」もなくなる。
憲法裁判所の最重要原則は以下である。
「非常事態は政令による法の変更をおこなえない!」(第1991/1法)
にもかかわらず、最近、政令により内規法、軍・国防機関法をふくむ諸法で急進的な変更がなされた。これについて、もちろん憲法裁判にはかけられない。しかし非常事態宣言が終了したらどのような法的混乱がおこるだろうか?!
テロとの戦いで犠牲者を出し続けるトルコは、これを避けるべきである。
■野党と合意して
民族主義者行動党(MHP)議員ウミト・オズダーは私の注意をひいた。テロと戦う軍で「医療担当」を取り出して保健省に付属させることは間違っている。
2日前に、軍隊における指揮命令系統の統一性が崩壊するおそれについて記事を書いた。
流血をともなうクーデターの熱気のなか非常事態期間に急速な是正のため発行された諸政令は、迅速に議会で野党と話し合い、経験ある司令官たちの意見を聞き、徹底的に見直されるべきである。
問題はわれわれの問題である。説明もわれわれの責任である...。外交と法的なことばで話すことは、クーデターと公的機関での秘密組織について西側に説明することを容易にし、同時に国内の正常化にも貢献する。
この記事の原文はこちら
翻訳者:吉岡春菜
記事ID:40993