Mehmet Y. Yilmazコラム:法を守ること
2016年08月18日付 Cumhuriyet 紙
クーデター未遂の翌日、77000人の公務員が休職とされ、5000人が解雇された。
1万9000人が拘束された。逮捕された人数は11000人に上った。
これらは今週の頭の数字だった。現在、数字がどこまで達したかを知るのは容易ではない。ただ昨日新しい政令により警察から2360人、トルコ軍から112人の職員が罷免された。
この事態がいつ終息するのかは明らかでないように見える。ただ、数が10万人に上ろうと現時点で言える。
このうちどれほどがフェトフッラー派テロ組織が占めていたのか、どれほどが組織指導者の立場にあったのか、どれほどが単なる同調者、あるいは下部組織のメンバーだったのか。
このことは起訴状が書かれ、起訴された際にわかることになろう。
連日、逮捕者、解雇者、休職者の近親者からメールが届く。
私にだけではなく、色んな記者に送られている。一部の者は一日に3,4回同じメールを受け取っている。
こうしたメールの共通点は、不公正にさらされたというものである。近親者が、フェトフッラー派ではありえない、祖国愛者であるなどと述べた手紙である。
どれが本当のことを言っていて、どれが嘘を言っているのか、ただ手紙を読むだけで理解するのはかなり難しい。
しかし、また疑いがもたげる。冤罪がかけられる可能性、我々の司法制度が関わってくるならば、無視すべきでない事態だ。
実際にフェトフッラー派に何の関係もない一部の芸術家や教育関係者も、これを口実に、粛清を被ったのを知っている。
クーデターを起こした人物たち、クーデターをやろうとした武装組織のメンバーを裁き、懲役を科すのは誰も反対できるものではない。
これを実施する際に、不当な扱いというイメージが作られるのを避け、この武装組織が国外で行うプロパガンダの材料を生まないために、非常に注意する必要がある。
罪と罰が個人的なものであり、違法な処罰は行われず、すべての人が正当な裁きを受ける権利があり、抗弁する権利が犯されざるもので、そして推定無罪を忘れてはいけない。
この武装組織がこのように強化されることを可能にした土壌は、過去にトルコが法治国家なるべきという事実を無視して生み出されたものである。
同じことを繰り返さないようにしよう。
■フェトフッラー派テロ組織から免れる際にÇETÖに捉えられないように
人が容易に宗教を通じて騙されると述べたトルコ大国民議会議長のジェミル・チチェキ氏は、「未登録の宗教」と言って事実を指摘している。
全て透明性があり、監督を受けていれば、これらは存在しない。今国家は内部の浄化が行われているが、その代わりに誰が入ってくるのかが最も重要だ。この人々は能力を基本に採用されるべきである。さもなければフェトフッラー派テロ組織が出ていき、別のギャング組織(ÇETÖ)が入ってくる」と述べている。
上述の通り、国では10万人に近い役人が解雇され、続いている。
国事が停滞しないために早急に後任を任ずる必要がある。
トルコ共和国国民教育省は最も多くの職員を解任した省のうちの一つである。
そして同省は、新職員を「面接で」採用することを明らかにした。
トルコで「面接」というと、主観的な評価、「コネ」あるいはあるグループに属する人の選抜が関わってくることが分かっている。
過去にも面接官によって非常に多くの知識をもつ人が排除され、その代わりに組織関係者や教団関係者らが採用されたことを忘れてはいない。
今、同じことが起こらないと、どうやって確信できるのか。
「能力」を確認する面接を行う者らはどれほど仕事に長じているのか。でなければ彼らも「仲間だ、礼拝している」と省の中で昇進したのか。
これらのことは分からない。大臣や事務次官であっても分かるかどうかは明らかではない。何故なら過去に同じ過ちをしたからであって、またやりかねないからだ。
フェトフッラー派テロ組織から免れる一方で、ÇETÖらが大量に採用されることがないように。省は客観的に評価できる方法を見つけるべきだ。
■南東部を忘れないで
クーデター未遂が抑えられ、現れた新状況が、根本的な問題のうちの一つが語られるのが妨げられるといった結果が生まれた。
南東部から来る殉職者のニュースは全く減る様子はないが、これに対して政府が打ち出す新しい発言もない。
しかし、我が国がクーデター抑圧後に、融和的な雰囲気が占める中、この雰囲気をクルド問題解決のためにも用いる必要がある。
PKK(クルディスタン労働者党;非合法)と合意に至れないこと、停戦できないことはすでに明らかだ。
「和平交渉期」にわたって、このことをPKKの善意に委ねることは間違いだと書いた。
PKKの戦争指導者が自身の存在を否定できず、和平交渉プロセスがPKKとではなく地域の民主的な勢力と進める必要性を述べた。しかし、与党が民主化について懸念はもっておらず、問題を解決する以上に戦闘の停止が生み出す雰囲気を利用するのを目指していた。
この政策は完全に失敗した。その代償を何百回も殉職者、破壊され、焼けた諸都市、そして何百もの市民の死で賄った。
新しいページが開かれる時であり、今回同じ過ちに陥らないことが必要だ。
この問題解決は根本的に全土の民主化と非常に密接に関係している。
現PKKは誤った政策を行ったことで徐々に周縁化する中、地域における民主的な要求に耳を貸すべきだ。
人民の民主主義党(HDP)を除外せず、民主的な政治の、大きな和解の場をしつらえことが、国を治める者たちの根本的な任務である。
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翻訳者:満生紗希子
記事ID:41074