Bülent Şıkコラム:164トンのレモンはどうなったのか?

2016年10月10日付 Cumhuriyet 紙
「少数派の声―西トラキア新聞」、という名のインターネットサイトに掲載されたニュースによると、6月に行われた検査でトルコから輸入された164トンのレモンに農薬残留が見られたので、この生産物がトルコに返品された。農薬は、農産物の製造において使用されるのだが人体や環境の健全さに有害な化学物質である。

数ヶ月前のこのニュースが今日性を失ったかのように思われませんように。EU加盟国で食の安全を保証すること、消費者の健康を守ることを目的に設立された連絡体制である、「食と飼料の緊急連絡システム(RASSF)」には、我がトルコから輸出された商品における農薬残留に関する多大なデータがある。

この記事の問題点は、我がトルコに返品されたこの有毒な食製品はどうなったのかということだ。平たく言えば、164トンのレモンはどうなったのか?ということだ。破棄されたのか、でなければ消費されたのか? これらを説明する前に、RASSFの記録について簡単に触れよう。

■ RASSFの記録

RASSF体制では、いずれかの加盟国が輸入した食製品において有毒な化学物質が見られると、この情報がインターネットポータルに入力され、全加盟国が情報を得て、対策をとることが目的とされている。

我が国トルコに関するRASSFの記録を調べたところ、レモンについて2016/06/15付けの一つの記録がある。しかしその記録では、事件の発生したのはブルガリアである。思うに、我が国トルコからブルガリアに送られたレモンに農薬残留が認められたようで、この状況はRASSFに記録があった。健康に有害であることが認められたこの商品が我が国に返品されている。ブルガリアから返品されたこのレモンがのちに東マケドニア・トラキア県に輸出され、この出来事がRASSFの記録に入らなかったということがあるえるだろうか?不思議に思う。または、両方の出来事は完全に別なのだろうか?わからない。

■ 根本的な問題はどこに?

二つのことが関連するかしないか、どちらの状況も可能ではある。しかしこの問いの答えを探すことは、事件がどのように発生したかに関しての詳細な情報供給をする以上のいかなる意味も持たない。根本的な問いが同じ場所に残っている。というのは、問いとは:「7月に、有毒な化学物質を含むためにギリシャから我が国に返品された164トンのレモンはどうなった?」だからだ。
7月ははるか昔、この話は今日性を失った、と考える者たちのために、枠組みを広げてこのテーマの話題性を強調することは適当だろう。
2016年1月から10月の期間におけるRASSFの記録を調べると、我が国からEUの国々へ輸出された様々な食料品で法律規定に反する残留農薬に出会いうる。例えば、最近三ヶ月の間におけるレモンやピーマンのような様々な輸出品で14倍のクロロフィリフォスという名の残留農薬が確認された。そのため、上記で私たちが問うた質問を繰り返し、「クロロフィリフォスを含むために返品された14の異なる輸出部門にに属する食料品などうなる?」と問える。

■ クロルピリフォスの使用は禁止されていなかったのか?

農薬がどの農産物にどれだけ使われるかは、法によって規定されている。食品における残留農薬が決められた制限の値を超えないことが必要である。もし越えれば健康に有毒であることが認められている。しかし、近年ではホルモンシステムを壊す存在として特徴付けられている幾つかの農薬の食品においての残留が制限値を下回っていても、特に赤ちゃんや子供にとっては重大な健康問題を引き起こすことがわかっている。さらにクロロフィリフォスはホルモンシステムにおいて破壊影響のある農薬のうちの一つである。

我が国で農業生産において、クロルピリフォスの使用は今年4月に禁止された。同様にEUの国々でも使用を制限された農薬の一つである。

RASSFの記録を調べると、我が国から輸出された食料品で確認されるクロルピリフォスの残留がEUの法で定められた制限値を少なくとも10倍、多くの商品では40-50倍の超過が見られている。検査結果によれば、我が国に返品されたこの商品が健康に有害であること、必ずや食べられずに破棄されることが必要、と言われうる。

■返品された商品達はどうなる?

以下の問いの答えを見つけることは必須だ:「この商品は我が国にいつ返品された?もし商品の破棄が決定されたら、破棄はいつ、誰によって行われたのか?商品破棄されないのならどうなったか?国内市場に送り出され消費されたのか?」
この問いの相手は食料農業畜産省だ。公共のために回答を私たちは期待している。輸出された商品で、クロロフィリフォスの残留がこれほど多く見つかることによって、国内生産の商品においても禁止されていたにもかかわらず、クロルピリフォスが現在も広く使用されていたことを疑う。もし、そうであるなら、現状は完全な放任状態だ。


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翻訳者:西山みなみ
記事ID:41399