■「メスバール」は『湾岸連合:国際的視点から』を出版
【ドバイ:本紙】
ドバイの研究所「メスバール・センター」〔訳注*〕は、『湾岸連合:国際的視点から』と題する本を出版した。この本の出版には、湾岸諸国や中東の諸問題に関心を持つ西洋の研究者7人が参加した。
*アラビア語でミスバールは「探針、調査器具」を意味する。同研究所の英語版ウェブサイトでAl-Mesbar Centerと書かれているため、「メスバール・センター」と表記する。
アラン・マコウスキー(Alan Makovsky, フリーの政治アナリスト、元・アメリカ下院国際関係委員会専門家委員)は、「湾岸連合への予想されるトルコの対応」と題する論考で、トルコは湾岸諸国から自発的に作られる湾岸連合を複数の理由から歓迎するとみなした。最も注目するべき理由は、湾岸地域におけるトルコの経済的利益である。これは、その他の重要な権益の中では、二次的なものかもしれないが、湾岸諸国のスンナ派支持国と西洋(特にアメリカ)支持国の戦略的方向性を代表するものである。トルコ人が湾岸連合の努力に反対する方に傾いた場合でも、アンカラには連合設立を禁止する力はない。
ベス・ノーブル(Beth Knoble, フォーダム大学ジャーナリズム学科教授、ハーバード大学からロシア研究で博士号を取得)は、「ロシアと湾岸諸国」と題する自身の論考で、別の観点から意見を述べている。それによれば、ロシアは、クリミア半島情勢への介入によりG8から外されたことから、アメリカ合衆国とヨーロッパ諸国を除いた国際社会と関係を改善することに強い意欲を持っている。つまり、ロシアは湾岸連合を前向きに受け入れる準備があることを意味する。加えて、ノーブル教授が述べるには、ロシアは今日——これまで以上に露骨に——世界における自国の影響範囲を広げることに意欲的である。明らかに、ロシアにとって湾岸地域は、同国の外交力と経済力を見せつけるためのよい場なのである。
(後略)
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翻訳者:竹田悠人
記事ID:41764