【ジャーメ・ジャム・オンライン】セターイェシュ・ゴレイシー殺害犯の弁護人を務める人物は、「アミール・ホセイン〔※被告〕に下された死刑2回の判決は、いまだ〔裁判所によって〕署名されたものではなく、〔被告人ないし弁護人に〕通知もされていない。われわれは示談を目指しているところだ」と述べた。
※訳注:イランで採用されているイスラーム法では、故意による殺人・傷害の加害者に対して、被害者あるいは被害者遺族は同害による報復(キサース)を要求する権利を有する。しかし被害者あるいは被害者遺族は同害による報復に代えて、賠償金(ディーヤ)の支払いを加害者に求めることも可能である。弁護人の人物が目指している「示談」とはこのことである。
メフル通信の報道としてジャーメ・ジャム・オンラインが伝えたところによると、モジタバー・ファラフバフシュ氏はセターイェシュ・ゴレイシー殺害犯のアミール・ホセインに対する裁判所の判決をめぐる最新の状況について、「直近の訪問として昨日裁判所を訪れた際、私は被告人に下された死刑2回の判決はいまだ署名されたものではないということを聞いた」と述べた。
同氏は、法律に則るならば、〔死刑2回という〕判決の内容をメディアに公表することは許されなかったはずだと指摘した上で、「判決はいまだ署名されておらず、通知もされていない以上、〔判決の内容が〕メディアに漏れるようなことがあってはならなかった」と語った。
セターイェシュ・ゴレイシー殺害犯の弁護人は、セターイェシュちゃんの遺族が置かれている恵まれない状況について触れ、「ゴレイシー一家は敬虔だが恵まれないアフガン人の家族である。私も〔殺害犯に対する〕弁護の当初より、彼らを応援してきた」と述べた。
ファラフバフシュ氏はさらに、「〔‥‥〕われわれは〔ゴレイシー一家との〕示談を目指している。各メディアもこの件に関しては、中立の原則を守ってもらいたい。民族問題を騒ぎ立てるようなスタンスから距離を置いて、この問題をフォローしてもらいたい」と付け加えた。
※訳注:ゴレイシー一家はアフガン人であることから、事件発覚の当初より、アフガン人への差別意識によって事件が公になるのが遅れたのではないか、アフガン人のイスラーム法上の権利(加害者にキサースを求める権利)が蔑ろにされるのではないかとの懸念が、一部で表明されてきた。このような背景から、セターイェシュちゃん殺害事件は通常よりもメディアや国民から注目されてきた。
つづく