Murat Yetkin コラム:1月13日が、キーとなる日

2017年01月12日付 Hurriyet 紙
法務大臣ベキル・ボズダーは昨日A‐ハベルで大統領制[に関わる]憲法が340以上の得票で通過すると信じていると述べた。

 本当に民族主義者行動党(MHP)の支持を背後に得た公正発展党(AKP)をひるませるものはなく、大統領制はもはや通過したも同然なのだろうか?

 そうであれば、憲法の第175条が据え置かれる中、アフメト・アイドゥン国会議長代理が私たちに何が起きたとしてもと言いながら票を見せながら投票したお祭り模様はなんだったのか。

 AKPの議員たち、さらにはMHPの議員たちに至っては誰に何を証明する必要があったのか。

 MHPのジェラル・アダンのことを長年知っているが、AKPのアイシェヌル・バフチェカプルに投票しない投票用紙を示し、その光景を見たとき、心は痛んだ。

 (このコラムが公表された後に、アダン氏が私に連絡を取ってきた。「私が投票する用紙を見せるような状況はなかった。封筒を閉じるときにアイシェヌル女史が見て、その時、共和人民党(CHP)の議員たちが写真を撮っていた。それだけだ」と言った。ほっとした。)

 では、これを見せたがったCHPの議員たちへの反発は?ひるむようなことがないなら、あの光景を示したことになぜ不満を感じたのか?

 もしくは大統領制への移行するお祭りの光景の下に、ある種「困難に直面していることを隠す」というムードがあるのだろうか?

 ビナリ・ユルドゥルム首相は1月10日の夜に、最初の条項の投票前に野党のいる所へ驚くべき登場をした。

 直接CHP党首ケマル・クルチダルオールの隣に行き、談笑した。

 クルチダルオール党首は、「法案を取り下げ、すべて話し合おう」といった様なこと述べて、オズギュル・オゼルが口をはさみ、2019年の選挙までユルドゥルムが首相であることを望むと言い、ユルドゥルム首相がオゼル議員へ冗談を言っているのを、画面でご覧のことでしょう。

 バイラムでもないしぶらつきでもない、とは言わないででください…。重要な政治的結果を生むいくつかの政治的策略は、時にこのような小さなジェスチャーから始まる。ビナリ・ユルドゥルムは実際政治を儀礼に基づいて行える人物のひとりである。

 (だが、次のことにも触れず済ませられない。ユルドゥルム首相はあそこへ明確にCHP議員に対して門戸を開くためにやってきて、彼らと話している。その間MHP議員エクメレッディン・イフサンオールは彼らの側に近づいていき、彼らは礼儀を持って彼を迎え入れた。トルコの現在の状況で、憲法について激論が交わされている中で、首相がそのことを話しに来た中で、イフサンオール議員は共和国後のオスマン家子孫の所有権についてユルドゥルムに働きかけを行っている。長年尊敬してきた人物イフサンオールであるが、このような行動は時と場所を得たものだったのか。かつてイフサンオールをCHPの大統領候補としたクルチダルオールの顔にも暗雲が通り過ぎたかのようであった。)

 クルチダルオールは昨日の党の中央執行委員会を国会で会合に招集した。

 CHPのほかの問題ももちろんその会合で話し合われた。

 たとえば、CHP議員のエニス・ベルベルオールに対し「違法組織の成員」であるとの訴えで検察官が請求したのは「もはやない」と言われる終身刑である。さらに、この告発はベルベルオールの国会へ送られる報告梗概がない状態で、特にまだ公聴会のない中である。おそらく彼の行状を検察すら信じなかったために、終身刑請求の中で勾留請求すらなかった。

 しかしながらCHPの会合で本題は憲法投票であることは明らかである。

 なぜならばどれほどAKPがMHPが外に見せた光景が愉快なものであり、内に不平を抱えていようとも、投票の流れがこの状態で続くならば、ボズダー法相の予言は実現する可能性が高い。

 もしも憲法草案がこのまま議会を通過する場合、タイイプ・エルドアン大統領が長年の政治生活のすべての経験と利用出来るすべてのものを動員して、大統領制の国民投票を行うために、あらゆることを実行するのは明らかである。

 ユルドゥルム首相はこれを理解し、探ろうと望んだのかもしれない。

 しかしそれだけではない。

 たとえば、エルドアン大統領がこのプロセス全体で借りのあるMHP党首デヴレット・バフチェリは、一昨晩見せつけるように反対議員のひとりユスフ・ハラチオールと長く話した。

 MHPのハラチオール議員は、その後記者たちに反対票を投じる考えを変えなかったが、バフチェリには憲法改正によって国会が国会議員たちが国民から受けた主権の信託が一人の人間へ、大統領へ移ってしまう懸念を語ったと述べた。

 この被選挙権年齢を18歳へ引き下げなどは、すべての政党が喜ばしいと考えていない条項である、それは別の問題だが。

 しかしながら根本的な制度変更の根幹を成すものは、大統領の手中に集まる行政権が立法と司法に対する影響力を増す諸条項で、また別の問題である。

 たとえば第8条は大統領が特定の政党に属することを承認し、党首の座に就くことを妨げない。
 
 たとえば第9条は、大統領が議会を経ずに政令を出すことを認めている。

 たとえば第12条は、大統領へ議会解散権、選挙のやり直しへの権限を与える。

 そして第17条は、大統領の影響力で高等司法における重要なポストの大半を直接もしくは党首の資格で間接的に明示することを可能にしている。

 AKPとMHPの両執行部が、この諸条項のことで議会内会派の中の不快感が水面に現れることを懸念している、と理解できる。

 そしていかなる条項も330未満の票を得れば、草案からこぼれ落ち、他の諸条項、すべてが承認されたとしても、国民投票へ向かえないのは明白である。

 では…。

 議会が現在のテンポで続いていくとすれば、このカギとなる条項、第8条項は、大統領が政党の党首になるのを認める条項は、1月13日金曜日に国会総会の審議に上る。

 議会解散権限をもつ第12条は、15日日曜日に審議される。司法関係者任命の条項は翌週になるかもしれない。

 しかし問題となる日は13日の金曜日は始まりそうである。

 もちろんその時までに、そしてそれらの日々に政治の舞台裏で、閉じられた扉の裏で、新しい展開がこの状況を変えることも考えられる。

 もしくはあの[首相とクルチダルオール党首の]談笑が無駄になるかもしれない。何も起きないかもしれない。このまま続けば、放たれた矢が誰に当たるのか目撃するかもしれない。

 いずれにしても政治の舞台裏を向こうしばらくは注視する価値はある。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:岩田和馬
記事ID:41955