環境庁水質土壌保全局のモハンマド・ジャバード・ソルーシュ長官は、化学肥料の使用によってもたらされる汚染が農薬による汚染を大きく上回るものとなっているとして、次のように強調した。「わが国では年間約2万5千トンの農薬が使用されているが、化学肥料の使用は年間約400万トンにのぼる。化学肥料の使用による地下水源への悪影響は、農薬によるそれを遥かに上回り、より危険である。」
ソルーシュ氏はファールス通信の取材に対し、イランにおける激しい土壌破壊について次のように述べた。「わが国では、年平均で1000万から1200万ヘクタールの広大な土地が破壊されており、その割合は世界水準の約2倍となっている。」続けて彼は牧草地の破壊、農地への転用や干ばつが土壌破壊の主因になると見なし、次のように語った。「この要因が、農薬や化学肥料の使用と並び国土に悪影響を及ぼしている。」
同氏は、イランにおける土壌汚染について次のように述べた。「農薬、化学肥料、石油による汚染、浸出水残留物や建築廃材は、すべて土壌や地下水の汚染原因となる。」 また彼によると、イランにおいて農薬の使用管理は農業ジハード省の管轄であり、環境庁は、管理委員会のオブザーバーとしてその見解を伝え、法に基づき農薬の不使用を提案できるのみであるという。
この問題に対する環境庁の責任者を務める同氏は、ダイアジノン[訳注:有機リン系農薬]やネオニコチノイド[クロロニコチニル系殺虫剤]の農薬がとりわけ環境庁が使用に反対してきた農薬であることを強調し、次のように説明した。「これら二種の農薬は耕作地の益虫を殺し、その残留物は魚類や鳥類に悪影響を及ぼしている。」
彼は、次のように希望を述べた。「農業ジハード省には、計画において農薬と化学肥料の使用の減少を図り、環境庁が支持する農薬や緑肥の生産に関する計画を実行してもらいたい。」
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翻訳者:YM
記事ID:42732