Sedat Erginコラム:アフリーン攻撃、みえてきた結果

2018年01月23日付 Hurriyet 紙
先週の土曜日に始まったアフリーン攻撃がトルコにとってまずどのような結果を生んだのかは ―回廊問題の他― 以下のように評価することができる。

最も重要な結果のうちの一つは、シリアの将来の再構築の時期に、トルコがこの作戦により自身を利害関係者の中に強い影響力を持って定着させたことである。

この国の戦争に何かしらの形で関わっている、すべてのアクターたちが、将来のシリアを現在より自身達の望む方向へ導こうとしている中、トルコは昨年「ユーフラテスの盾」作戦により影響力を手にして以降、交渉の場における立場を一層強化した。

イランが革命防衛隊を用いて戦闘を行い、アメリカが2000人の兵士と政治顧問を用いてクルド人地域においてクルド民主統一党(PYD)と運命共同体となり、ロシアがアサド政権が戦いに負けないよう前線で重きをなしている時に、トルコは、事件の流れを外から傍観者として眺めるていることはできず、戦場に出て自らプレーヤーの仲間入りしたことを示している。

攻撃のもうひとつの重要な結果は、トルコとロシア間の接近がより進んだことである。トルコが、この作戦を、ロシアと緊密な対話の仕組みを練り上げ、 明確な協力の基盤を作ってから開始したことは、この方向性を示している。疑いなく、シリアにおけるクルド人の主要政治組織であるPYDが、アメリカのシリアにおける唯一の戦略的パートナーとして活動し始めたことが、ロシアをトルコと協力する方向へ仕向けた要因の一つと考えられよう。ロシアはまた、この行動によって、おそらくトルコの為政者と大衆の信頼を勝ち得たとも考えている。

さらに、アフリーンにおけるPKKの関連組織であるPYDの力を削ぐことは、バッシャール・アサド政権の存続と強化というロシアの戦略と矛盾することはない。モスクワは、おそらく最終的にはアフリーン地域がダマスカスの中央政府の統制下に収まる方向での合意に基づいて行動している。

事態の展開の驚くべき結果のひとつは、トルコと2011年以来対立していたバシャール・アサド政権の間で暗黙の利害の一致が具体化したことである。ビナリ・ユルドゥルム首相が一昨日に新聞編集者たちと行った談話で、シリア政権と一部接触が行われたことを隠さなかったことと、「現状では、体制も事態の推移の一部をなしており、このことを考えねばならない。無視することはできない」と話したことは、この利害の一致について印象的な発言である。

危機の推移が、ロシアとの接近とは逆に、トルコとアメリカをお互いに少し遠ざけたといえよう。アメリカがPYDに「追加の物資援助をするのかどうか」という方向での質問を受けてユルドゥルム首相が、「この地域に関するあらゆる種類の物資援助はこの作戦の標的である。このことははっきりと明確に言っておく」との発言は特に強調されるべきである。首相は、事態が要すれば、トルコが戦場でアメリカをも標的としうると発言したのである。

「オリーブの枝」作戦は、安全上の懸念の点から、トルコを安心させる性質を帯びている。アフリーン地域は、アアザーズから始まりトルコ-シリア国境に沿って北西へまっすぐ進む、そこから下に南西へ向かう130キロメートルの距離で、20~30キロメートル[ほどシリア内部に入った]安全ベルト地帯で覆われるだろう。これは、実際にトルコがハタイとキリスでシリアと隣接している国境が20~30キロメートルほどシリア国境内部に向け広がるという結果を生むだろう。この拡大により、トルコは国境沿いにこの場所からPKKが訪れる脅威を遠ざけうる機会を得ることになるだろう。

ここでの重要な問題は、第一段階として定義された安全ベルトの構築後に、トルコ軍(TSK)が第二段階で地域のちょうど真ん中に位置するアフリーンの中心部に入るかどうかである。ユルドゥルム首相は、この問題について「最初の目的を達成した後に、アフリーンの中心部、また他の地域で存在しているテロ組織を排除するための活動を行う」と話し、市の中心部も明確な対象として示している。

PYDもアフリーン市で抵抗することを決定する場合、攻撃の第二段階は、TSK-自由シリア軍の同盟とPYDの間で市街戦に変わる可能性をもっている。市の中心部で、様々な民族集団からなる多くの一般市民が暮らしていることは、疑いなく、市街戦のオプションを検討する際に、注意を払うことが必要な状況である。


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翻訳者:岩井美咲
記事ID:44213