エジプト:風力発電による渡り鳥被害を抑える施策
■苦しむ渡り鳥、地球を救おうと努力
【マイ・シャーフィイー】
鳥の渡りという現象は、地球上の生物の多様な動きの中で主要な要素とされている。鳥は北方の寒冷な国々から暖かさを求めてアフリカや南国に渡り、春になると戻って行く。エジプトは渡り鳥にとって主だった通り道だと考えられており、数千羽の群れがファイユーム、シャルム・エル・シェイク、紅海の暖かさを享受している様子を見ることができる。また、渡り鳥は往路でも復路でも多くの危険に晒されているが、原因は汚染や違法な狩猟、殺虫剤や除草剤使用の普及、電線、そして風力発電のプロペラだ。
エジプトは渡り鳥を風力発電のプロペラから守るため、先駆的なプロジェクトを実行している。本紙はこのプロジェクトの責任者である、ウサーマ・ギバーリー博士に話を聞いた。博士は、紅海沿岸やアフリカ大地溝帯に沿った経路が、渡り鳥にとってこの青い惑星における2番目に重要な経路であると明らかにした。ここでの渡り鳥とは、ワシやタカ、トキ、ペリカンを含むが、彼らは螺旋状の暖気流を利用することで高く舞い上がり、羽を動かさずに海や川を越える。年間37種、約200万羽がこの経路で移動するが、うち5種が絶滅危惧種だ。渡り鳥はヨーロッパや西アジアで繁殖し、アフリカで冬を越す。
ギバーリー博士はこの重要な実験に際し、電力・再生可能エネルギー省と協力している。レーダーを使用して研究チームと共に渡り鳥の動きを早期に観測し、プロペラを停止することで渡り鳥が安全に通れるようにしているのだ。そして鳥の通過後にプロペラを再稼働させている。またこのプロジェクトでは、各県とも協力し、渡り鳥にとって好ましい環境を作るための措置を講じる。更に、世界的な観光活動の一環として、観光ガイドにバードウォッチングのトレーニングを行う構想もある。
更に、ギバーリー博士によれば「シャルム・エル・シェイクにバードウォッチングのスポットが3箇所整備され、渡り鳥に関する国のデータベースや、渡り鳥を観測するチームも作られた。」
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翻訳者:増田まい
記事ID:44888