アルダ・トゥラン、暴力事件で出廷
2019年01月30日付 Cumhuriyet 紙
サッカー選手のアルダ・トゥランと歌手のベルカイ・シャーヒンの間に生じた喧嘩に関する最初の裁判審理が始まった。申し立てが受理された審理の結果、次回の開廷は2019年6月19日に延期された。審理の後、裁判所をあとにしたアルダ・トゥランは、「問題はすでに審議されている。特に言うことはない」と言った。
サルイェルのエミルガン地区のナイトクラブで、サッカー選手のアルダ・トゥランと歌手のベルカイ・シャーヒンの間に生じた喧嘩に関する訴訟における最初の裁判が開かれた。ベルカイ・シャーヒンの妻、オズレム・シャーヒンは「アルダ・トゥランは事件の夜、『美しい人だ。結婚していなかったら、あなたを逃さなかったのに。』と私の耳元で言いました。私は誰も中傷していません。私には1人の子供がおり、もう1人もお腹の中にいます。最後の審判の時にアッラーがお裁きになるでしょう。私は彼を訴えます。」と言った。その言葉を受けたアルダ・トゥランは、自身の罪を否認した。裁判の終わりに、アルダ・トゥランの弁護士であるシェレフ・デデ氏は「依頼人は不公平な主張で訴えられています。今日は初めての裁判でした。警察が呼び、行きました。また、今日は依頼人の誕生日なのです。これはとても不運なことです。」と言った。ベルカイ・シャーヒンはそれに対し、「私も声でお金を稼いでいますが、鼻の骨が折れたので少しも稼げませんでした。誕生日プレゼントでもあげましょうか?」と答えた。裁判は証人からの聴取のために6月19日まで延期された。
■月収は30万ユーロ
イスタンブル第41第一審刑事裁判所での裁判に、原告そして被告人のアルダ・トゥランとベルカン・シャーヒン、そして原告のオズレム・シャーヒンが弁護士とともに参加した。裁判は10時に始まった。裁判が始まる前には、アルダ・トゥランとベルカン・シャーヒンの間に裁判所の警備員が座っていた。裁判が行われていた階と裁判ホールにも警備員が置かれた。身元確認の質問の際には、アルダ・トゥランがプロのサッカー選手で月収が30万ユーロであると述べたのに対し、ベルカイ・シャーヒンは歌手で月収が1000トルコリラであると述べた。裁判官は、アルダ・トゥランの弁護士により申立書が提出されており、裁判の内容の報道禁止を要求したことを明らかにした。それを受けたベルカイ・シャーヒンの弁護団は、要求の拒否を求めた。裁判所は、この要求を拒否し、アルダ・トゥランの抗弁に移った。
■不快なことは言っていない
アルダ・トゥランは2ページに及ぶ陳述書を裁判官に渡した。裁判官はその陳述書を読んだ。その後発言したアルダ・トゥランは、「オズレム・シャーヒンとベルカイ・シャーヒンとは面識はない。集まってもいない。ただ、ベルカイと挨拶をしただけだ。」と答弁を始めた。事件の夜、ナイトクラブに行ったことを説明したトゥランは、クラブがとても混んでおり、トイレに行こうとすれば誰かにぶつかってしまうほど狭かったと述べた。トゥランは、「私もオズレムさんにぶつかってしまい、謝りました。不快にさせるようなことは言っていません。『美しい人だ。結婚していなかったら、あなたを逃さなかったのに。』というような文章も使っていません。誰であるかも知らなかったのです。後になってベルカイの奥さんだということを知りました。」と言った。15分から20分後にベルカイ・シャーヒンが隣にきて首の後ろに手を置いたことを話したトゥランは、「彼は私に『キャプテン(注:トゥランのこと)話そう』と言いました。私は『明日話そう』と答えました。彼が2回目に強く引っ張ったので、私は自分を守ろうとしました。そして喧嘩が起こったのです。ベルカイは外に出ました。ベルカイがガードたちに『アルダを捕まえろ』と言っているのが聞こえました。家に帰りました。問題がベルカイの奥さんと関係があることを言っていました。ベルカイに電話し事件が誤って理解されていることを伝えました。そして、『ごめんなさい』と謝りました。(ベルカイが)鼻が痛いと言い、病院に行きました。暴力目的では行きませんでした。一緒に座り、決してそのようなことをしていないと伝えました。彼は奥さんに電話をし、事件が誤って理解されていることを伝えました。私は祖父が残した銃を持っていました。問題がデリケートであったので、その銃を彼に差し出し、『私を信じないのなら、好きなようにして良い』と言いました。彼は銃を取り、椅子におきました。『そんなことをして良いのか』と彼は言いました。私がもう一度銃を手に取ろうとした時銃が意に反して暴発しました。それから15分話し合いをしました。彼は私をドアのところまで送りました。私は『どの母親にも決してこのようなことはしない』と言いました。彼は『このように誤解されることもあり得る』と言いました。そして彼は『メディアにこのようなことを書かれないように気をつけろ』と言いました。家に帰り、2、3時間経った後にテレビでニュースを見ました。私はどの罪も認めません。(ベルカイの)奥さんと家族に関してこのようなことをしてはいないのです。話し合いの時にベルカイは私に『y…』と言いました。私も訴えるつもりです。訴訟に参加したいです」と言った。
■ベルカイの弁護士がアルダへ質問した
アルダ・トゥランの答弁が終わった後、シャーヒン夫妻の弁護士であるアイシェギュル・メルメル氏とウムット・キョルオール氏がトゥランに質問を向けた。
ベルカイ・シャーヒンの弁護士、アイシェギュル・メルメル:あなたはオズレムさんを知らなかったと言いましたが、あなたはなぜこのような中傷をさせたと思いますか?
アルダ・トゥラン:他人の人生がどのように進むのか私は知ることができません。その答えはあなたと、あなたの依頼人の中にあります。
アイシェギュル・メルメル:なるほど。では病院に花と一緒になぜ銃を持って行ったのですか?
アルダ・トゥラン:あなたは正しいです。私は間違っていた。銃を持って行ったのは正しい事ではなかったです。家族のデリケートな問題だったため、誠実さを見せるために行きました。朝5時のことでした。
メルメル弁護士:銃は家から持ってきたのですか?
アルダ・トゥラン:銃は家から持ってきていません。車の中にありました。銃を持つ理由は特にありませんでした。
ウムット・キョルオール弁護士:オズレム・シャーヒンさんの腕に触れながら謝罪をしたのですか?
アルダ・トゥラン:腕が誰かに当たったので謝りました。それは私がいた場所のせいであり、奥様に対してではありません。その人を知らないのですから。再び、お詫び申し上げます。
■ベルカイ:アルダ・トゥランには私の子供に対する愛情がある
その後、ベルカイ・シャーヒンの陳述が行われた。シャーヒンは、「アルダ・トゥランの首を掴んでもおらず、外で話したことからも真実が反映されていません。同じ家の中で食事をしたこともあり、私の子供に対する愛情もありました。同じ部屋の中で彼と妻が一緒にいる環境があったことを言っているのです。面識があったことは明確です。望むだけ証拠を見せることができます。」と言った。ある映画のプレミアの後、奥さんたちと一緒にナイトクラブに行ったと語ったシャーヒンは、「4、5人の友達と、クラブの外で妻たちと座っていました。友達のオンデル・ティルヤキが隣に来ました。オズレムとオンデルの友達たちが中へ入って行きました。妻は10分後に私の隣に来ました。2年半も私の妻であり、4年間も一緒にいるのです。彼女をよく知っているので、表情が変わっていることに気づきました。その理由を聞きました。彼女が怖がっていることに気がつきました。『何があった、オズレム?』と聞きました。しっかりと尋ねました。パニックだったにも関わらずです。『私に『どんなことであっても何もしない、反応もしない、と約束して。子供のためにも誓って。』と言いました。私は誓いました。彼女は事件について説明してくれました。アルダ・トゥランが彼女の隣に来て、肩に触れながら、『美しい人だ。結婚していなかったら、あなたを逃がさなかったのに』と言われたことを話してくれました。私は自分自身に『少し待っていて』と言いました。その後アルダの隣に行き、首の後ろを掴みました。彼の耳元で『妻を置いて来る。10分後に話そう』と言いました。彼も私に強い口調で、『なんだよ』と言いました。私は間違いに気づいていたので彼はそのように言ったのだと思います。その時私の手はまだ彼の首元にありました。彼はアルコールで酔っていました。『妻を置いて来る』と言いました。目的は妻を送り、彼と話すことでした。その時アルダは、ブラク・ユルマズに『こいつは訳のわからないことを言っている』と叫びながら言い、ブラクも私に『何があった』と言いました。私はブラクに『10分後に妻を置いて来る』と言いました。そう言ったと同時にアルダは隣から私の鼻に頭突きをしました。アルダたちは男ばかり3人から5人でいました。私はすぐに外に出ました。そして手に持っていたコップを投げ捨てました。鼻から血が出ていました。妻を私のところに連れてくるように言いました。妻は泣いていました。私のところで働いている者たちにオズレムを家に送るように言いました。ブラクが私の隣に来て、『何があった?』と聞きました。私は『私は落ち着いている。あなたの友達をなんとかしてくれ』と言いました。オンデル・ティルヤキは『落ち着け、アルダが奥さんに何かを言っているのを見た』と言いました。ブラクはオンデルに『ここから出でいけ!』と言いました。私も誰も傷つけたくなかったので、オンデルに離れるように言いました。」と話した。ベルカイは一連の出来事を説明する際、警備員に許可をもらい、アルダ・トゥランの首の後ろをどのように掴んだのか、またその時の距離も詳しく説明した。
■「私が彼に『y…』と言うと、床に向けて意図的に、わざと銃を撃った」
病院に行き、そこでアルダ・トゥラン自身と電話で話したベルカイ・シャーヒンは(アルダが)事件について誤解している。私はこのようなことはしないと言った。そして「これから病院に向かう」と言い、アルダも「来い」と言ったことを話した。ベルカイ・シャーヒンは「アルダ・トゥランは謝りに来ました。その時銃を持っており、ポケットの中に手を入れていました。救急外来のところまで来て、『話そう』と言いました。近くにいた人たちを遠ざけました。ある部屋に入り、彼に水をあげました。落ち着けるためです。彼は銃を取り出し、『もし私がそのようなことをしたと信じているのなら、銃をとれ、さあ!』と言いました。その後もずっと銃を手に持っていました。銃弾を銃口に入れ、手で銃を振りながら『私はバイラムパシャ出身だ。』だからどうこうというようなことを短気な口調で話していた。私も『y…まだあなたはイライラしている。悪評にまだ満足していないのか、銃を持って出て行け!』と言いました。取り乱した態度でした。彼は『謝りたかったら奥さんを連れて来て、朝食を共にして謝れ』と言いました。この時妊婦だった彼の妻は絶え間なく彼に電話をし、私の妻も私に電話をしていました。彼の妊婦の妻を悲しませたくはなかったのです。私の目的はあの忌々しい夜を終わらせることでした。私が彼に『y…』と言うと、彼は床に向けて意図的に、わざと銃を撃ちました。私は事件を引き伸ばしたくありませんでした。彼は『オズレムに電話しろ。謝りたい』と言ったので、私は電話をしました。オズレムは『夫の鼻を折った。謝罪は認めない』と言いました。その日私は『誰のことも訴えない』と言った。『骨折した鼻は問題ない』と言いました。その後、手術を受けました。しかし『ベルカイを殴ったが、なぜ殴ったのかが問題である』と言う記事を見ました。妻が本を出していて、それを宣伝にする目的があるという記事があったのです。それに対し私は怒りました。訴えることを決めました。彼は新しく父親になりました。私は彼が子供からひと時でも離れることを望んでいません。ただ一つ望むものは、行った愚行を認め、謝罪をすることです。賠償は一切いりません。他の要求もありません。」と言うような態度で話した。これを受けアルダ・トゥランの弁護士であるシェレフ・デデ氏は「すでに依頼人は、誤解を招いたことに関して謝罪をしている」と言った。
■オズレム・シャーヒン:誰も中傷していない
原告のオズレム・シャーヒンはと言うとタバコを吸い、アルコールを飲んだことを話し、さらにその場所が混雑しており、騒がしかったと話した。シャーヒンは「オンデルと話をしている時、右の肩が突かれていることに気がつきました。後ろを見るとアルダがいたので、挨拶をしようと思いました。以前に新年の食事をし、同じ場所にいたのですから。彼は耳元で『美しい人だ。結婚していなかったら、あなたを逃さなかったのに』と言いました。私はすぐに振り返り、オンデルに、奥に連れて行くよう伝えました。オンデルは私を連れて行きました。夫は、『早く来たね。何があった?』と聞きました。私は『なんでもない』と言いました。夫がどんな反応をするかわからず怖かったのです。夫が繰り返し聞いてきたので、子供のために誓い、起きたことを説明しました」と言った。シャーヒンは「私は誰も中傷していません。私には1人の子供がおり、もう1人もお腹の中にいます。最後の審判の時にアッラーがお裁きになるでしょう。私は彼を訴えます。」と言った。
■ベルカイの弁護士:司法の監視下に置かれるべきだ
ベルカイの弁護士であるウムット・キョルオール氏は「司法の平等性に基づき、アフメットやメフメットへ適用されるのであれば、アルダ・トゥランにも適用されねばならない。逮捕の決断はあなた方の正しい評価なのである。私たちは司法の監視に関する規定の適用を要求します」と言った。
■弁護士:今日が依頼人の誕生日
アルダ・トゥランの弁護士であるシェレフ・デデ氏は「依頼人はプロサッカー選手です。練習もあります。裁判中の勾留免除を要求します。依頼人は不公平な主張で訴えられています。今日は初めての裁判でした。警察が呼び、行きました。また、今日は依頼人の誕生日なのです。しかし彼は今ここにいます。刑事訴訟法で逮捕するのと同じくらい有益なことです。誕生日に法廷に立つとはとても不運なことです。」と言った。ベルカイ・シャーヒンはそれに対し、私も声でお金を稼いでいますが、鼻の骨が折れて少しも稼げませんでした。誕生日プレゼントでもあげましょうか?こんなことあり得ますか?」と答えた。
■次の裁判は6月19日に行われる
原告、被告双方の勾留免除を決断した裁判所は、次の裁判を証人からの聴取のために6月19日に延期した。ベルカイ、そしてオズレム・シャーヒンとアルダ・トゥランは警備員に挟まれながら、違ったドアから法廷を離れた。出口で質問を受けたアルダ・トゥランは「問題はすでに審議されており、私たちが何をしたか、しなかったかを、裁判官たちは知っているのだ」と答えた。
■起訴状
起訴状によると、ベルカイは妻と10月10日の夜中の2時30分ごろサルイェルのエミルガン地区にあるナイトクラブに行き、オズレム・シャーヒンが室内で友達と楽しんでいるときに、アルダ・トゥランがシャーヒンの隣にきて肩を突き、「美しい人だ。結婚していなかったら、あなたを逃さなかったのに」と言いながらセクハラのようなことをされた。オズレム・シャーヒンはこのことを夫に説明し、夫は目撃者のブラク・ユルマズと一緒に座っているアルダ・トゥランのところに行き、「妻を置いてから30分後に来る、話そう」と言ったことが説明された。その時、アルダ・トゥランはベルカイ・シャーヒンに頭突きをし、喧嘩が起き、あたりにいた人達はベルカイが遠ざけられ、治療の目的で病院に連れて行かれたと話した。アルダ・トゥランは朝6時20分ごろ、ベルカイの治療が行われている私立病院へ6、7人と一緒に行き、トゥランが病院に入った後ベルカイと病院の中にある部屋で面会が行われた。アルダ・トゥランが持って来た無許可の「グロック」と言うメーカーの銃を取り出し、銃弾を銃口に入れ、それをベルカイに差し出しながら「あなたの奥さんかどうかは知らないし、そんな人を知らない。知っていたら、そんなことをするだろうか?したければ撃っても良い」と言い、ベルカイはアルダの手から銃を取り、椅子の上に置き、もうこれ以上不名誉なことは必要ない。ただあなたがしたy…だけは認めろ」と言い、アルダも「私たちはy…ではない」と言い床に向けて銃を撃った。銃の音とともに一緒に来ていた人たちが入って来て、ベルカイはその人たちを送り、アルダも病院から離れたことが説明された。
■刑務所行きを望む声
起訴状で、アルダ・トゥランについて「セクシュアルハラスメント」「意図的な暴力」「恐怖、不安、パニックを生み出すような方法で銃を撃ったこと」「無許可の撃つことがでる銃と銃弾を買ったこと、持ち運んでいたこと、そして所持していたこと」の罪で3年3ヶ月から12年2ヶ月の懲役が望まれた。ベルカイ・シャーヒンについても名誉毀損の罪で3ヶ月から2年の懲役が望まれた。
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翻訳者:瀬戸慈弘
記事ID:46203