マースーレ砂漠;トゥーラーン国立公園の野生動物への入口
2019年11月15日付 Hamshahri 紙
ガルエバーラー村、マースーレ砂漠は、山岳地帯に位置することから階段状の建築を有し、砂漠やトゥーラーン国立公園の近くにあり、トゥーラーンの野生動物の玄関口と称され、毎年多くの観光客を呼び寄せている。
IRNA通信によると、ガルエバーラー村はビヤールジョマンド村から24キロ離れていて、シャーフルード【訳注:イラン北東部にあるセムナーン州最大の都市】の140キロ南に位置し、有名なマースーレ村のように、より低いところに建てられた家々の屋根は、その家より少し高いところにある家々の中庭になっている。
ガルエバーラー村は、シャーフルード州の市民によって、その地域独特の資材と建築法をもって建設され、古くから伝わる彼らの織物は完全に保存されているが、ギーラーン州のマースーレ村ほど良く知られてはおらず、マースーレ村における騒ぎや混雑のニュースは、この村には無縁である。
ガルエバーラー村の歴史は、ビヤールジョマンド村と深い関係があり、ヒジュラ暦4世紀【訳注:西暦10世紀】に、モッガダスィー【訳注:中世アラブの地理学者(西暦945/946 – 991)】の本の中でこの村が初めて言及された。
彼の本の中で、この村は城と砦を有し、畑とぶどう園で満たされ、村の人々は家畜の飼育に従事し、油、乳製品、家畜の肉といった製品を生産、使用していた。また砂漠のそばに建設されたため、多くのイランの砂漠の村のように、給水のために地下水路を利用していたと記述されている。
ガルエバーラー村の農業用地は、小麦、大麦、胡椒、 蕪などの畑によって彩られ、ザクロ、クルミ、あんず、黄いちじく、ぶどうといった果樹園がこの村の美しさを引き立て、秋の今は木々の葉によって色とりどりの大地が創り出され、この村の澄んだ景色に加わっている。
ガルエバーラー村は、南西部には塩田、東部から北西部にかけては砂丘があり、また石膏鉱山も周辺一帯で散見することができ、この地域のあらゆる土地が、特別な条件に基づいた固有の植物の生育地である。
デルバル平原とアリーアンギャル平原は、ガルエバーラー村の近くに位置するハールトゥーラーン自然保護区にあるトゥーラーン国立公園の一部である。この地域のおかげでガルエバーラー村の魅力はさらに増している。この地域を見に訪れた観光客、自然愛好家、自然保護活動家たちは、山々や砂漠の美しい風景を見ながら、運がよく、さらに装備が揃っていれば、この地に生息する珍しい動物を観察することもできる。
トゥーラーン国立公園は、動物の多様性から、「イランのアフリカ」として有名である。ハールトゥーラーンは、様々な種類の動物の広大で重要な生息地であり、砂漠の近くに位置している。その面積は140万7000ヘクタールで、イランでは最も広い動物の生息地であり、また世界ではタンザニアのセレンゲティ国立公園に次いで2番目に広い生息地である。
ここでは250種以上の哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類の動物が生息し、その中で最も有名なのがアジアチーターとペルシアノロバ(ペルシャオナガー)である。
ガルエバーラー村には、30人を収容できるエコツーリズム用宿泊施設があり、この地域の観光客の滞在には困らない。この宿泊施設の魅力の要因は、築150年という古さと、最も高い地点に建てられたこと、そして伝統的な建築方法で建て直し、美しい装飾を施したことである。
IRNA通信セムナーン支局は、文化や社会など様々なテーマで特集ニュースを特別枠で公開しているが、観光の発展と経済の繁栄を目的として、セムナーン州観光の魅力をニュース枠の中で紹介している。
セムナーン州では、1000か所以上の歴史的、文化的、自然的、精神的な遺産が承認され、これまでに700以上が国家遺産リストに登録されている。歴史と文化の豊かな背景を持つセムナーン州へ旅行する動機がある観光客や旅行者はだれでも、その地域の多様性から、自身の目的、興味、計画に従って、セムナーン州で自分の好みの観光地を見つけ、旅行の楽しみを倍増させることができる。
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翻訳者:K.O.
記事ID:48195