サンタクロースは、西洋キリスト教諸国の民衆文化における歴史上・物語上の人物である。サンタクロースの名前はクリスマスと関連している。西暦では新しい年の入り口に差し掛かっている今、サンタクロースの服の小史をみていこう。
モドビア(*1)が報じたところによると、サンタクロースは親切で陽気で赤い服を着ている老人であり、毎年、年の初めに子どもたちにプレゼントを届ける。しかし、この物語上の人物がどんな人物または伝説から着想を得て生み出されたのかという点については、きわめて多くの説があり、その起源は西暦4世紀にさかのぼる。
聖ニコラオスまたはサンタクロース
おそらく、歴史上最初にサンタクロースになった人物は、聖ニコラオスを除いていないといえるだろう。聖ニコラオスは、西暦4世紀トルコのミラ市の主教だった。聖ニコラオスは貧しい人たち、特に幼児を助けることに手厚かった。しかし、きわめて内気な性格だったため、プレゼントやお金を靴下の中に入れ、煙突から下におろすようになった。もう一つ、興味深い点は、聖ニコラオスの祭服も赤と白だったことである。
サンタクロースに着想を与えた神話
聖ニコラオスに加えて、世界中のたくさんの神話がサンタクロースの人物像に着想をもたらした。例えば、オーディンはスカンディナヴィア神話の勇敢な神であり、青いマントをまとっていたとされるが、天から地に降りてきて善良な者たちに報酬と贈り物を与えていたことから、サンタクロースの物語に影響を与えた人物の一人と考えられている。他に、緑の服を着たサンタクロースに関する話がある。緑の服のサンタクロースは、新年の初めに花冠を戴いた姿で現れて人々に春の訪れの吉報をもたらし、緑の季節のために準備を整えさせる、というものである。
赤い服を着ている最初の絵
赤い服を着たサンタクロースの絵は、1860年代に画家のトーマス・ナストによって描かれた。これより前は、サンタクロースの服は緑と茶色を含めた様々な色で描かれていた。もちろん、トーマス・ナストは何度もサンタクロースを緑の服で描いたが、人々には赤い服を着ているサンタクロースの方が好まれたようだ。休日の感覚や祝日の喜びを人々に連想させたのである。
コカ・コーラの宣伝の中のサンタクロース
赤い服を着たサンタクロースはコカ・コーラの宣伝が基になったとしばしば見なされる。この会社は、新たに始めた大々的な宣伝キャンペーンによって、赤い服を着たサンタクロースのイメージを、それまで以上に世界中の人々の脳裏に刻み込んだ。コカ・コーラの宣伝のための現代のサンタクロースは、1930年代にフレッド・マイゼンの原案に基づいて、ハッドン・サンドブロムによって作られ、有名になった。
*1:イランのオンラインファッション雑誌
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翻訳者:SR
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