価格戦争下で揺れる産油国(2)
2020年03月24日付 al-Quds al-Arabi 紙
■価格戦争が続く中、誰が世界市場における原油供給をコントロールするのか?
【ワシントン:DPA】
サウジアラビアに次ぐのはロシアで、ウィーンでの「OPECプラス」会議中における同国の奮闘により、原油減産の延長に関する合意には至らなかった。これにより、サウジアラビア政府は増産することとなり、ロシア政府も同様の発表でこれに応じた。
ロシアのアレクサンダー・ノヴァクエネルギー大臣は、同国が1日あたり50万バレル程度増産し、1日あたり1180万バレルまで生産を到達させることができると述べた。ロシアの国有企業である「ロスネフチ」社は、遅くとも来月1日までに1日あたり30万バレル程度増産することを予定している。ロシアでの増産が同国の原油輸出増加にどの程度反映し得るのかは明らかでない。
サウジアラビアとロシアに続くのは、「OPEC」の中で2番目に多い産油国のイラクである。しかし、過去3年間の同国の生産水準と比較すると、恐らく大幅に生産を増加させることはできないだろう。イラクは依然として、バグダードの中央政府が支配しているイラク南部と中央部の油田を通じて、来月には前月の生産と比較して1日あたり25万バレル程度増加させたい構えだ。
ブルームバーグ通信の発表によると、クルディスタン地域政府が輸出する1日あたり約450万バレルの原油に加え、イラク中央政府の原油販売量が1日あたり370万バレルにまで増加したことにより、同国の輸出量は昨年9月以来の最高水準に達した。しかし、イラクが目標値に到達することを妨げる障壁がある。最後に原油価格が下落した時、イラク政府は国内で事業を行う外国企業への支払いができなかったため、原油を増産することはできなかった。またイラクは現在、コロナウイルスへの感染事例が明らかになったことを受け、多数の生産分野の閉鎖に直面している。
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翻訳者:今中志穂
記事ID:48805