テヘラン州で野生動物の双子の出産が増加 コロナの影響も
2020年05月23日付 Hamshahri 紙
テヘラン州野生動物関係管理局モハンマド・キャラミー局長は、野生動物の生殖と双子の出産の増加の理由の一つとして、新型コロナウイルス蔓延後に自然地帯へ立ち入った人が少なかったことと、出産時の野生動物のストレスが減少したことに言及した。
【ハムシャフリー電子版】イラン学生通信(ISNA)によると、モハンマド・キャラミー局長は以下のように述べた。「自宅待機が必要であったことから、特にファルヴァルディーン月(西暦3月~4月)に人々が自然の中に立ち入ることがなくなり、また、環境庁が自然の日(西暦4月1日、自然の中でピクニック等を楽しむためのイランの祝日で、スィーズダ・ベダルともいう)や自宅待機が厳重だった時期に発表した通知を人々が考慮したことで、自然への立ち入りが防止された。これによって、日常的に野生動物が人の自然立ち入りを感じ取る頻度が低くなり、妊娠期間を以前と比べてより平穏な中で過ごせるようになった。」
彼は続けて、「すでに野生動物の出産シーズンが始まっており、我々が持っている情報によると、過去の年と比べてよりストレスの少ない出産を迎え、またその中で双子の出産も多くなっている」と述べた。
テヘラン州野生動物関係管理局の局長は、「双子の出産は、環境と気候の条件次第であり、今年と昨年の十分な降水量により、野生動物、特にテヘラン州の大型草食動物、つまりヤギ、ウリアル、チンカラ、ガゼルが良い調子で生殖し、その中で双子の出産が増えることとなった」と強調した。
彼は、新型コロナウイルスの流行と自宅待機の必要性が、密猟と野生動物生息エリアへの環境保護官の立ち入りにどのような影響があったかという問いに答えて、「環境保護官は、新型コロナウイルスの流行にも関わらず自らの持ち場に行っていた。私たちが持っている統計と情報によると、狩猟が行われた回数は減った。なぜなら、自然を訪れる人が少なくなる時は、一般的に、密猟をしたいと思っている人たちも自然の中の野生動物生息エリアに足を踏み入れようとはあまり思わなくなるからだ。」と指摘した。
キャラミー局長は、環境庁は狩猟許可を出していないと述べた上で、「ほとんどの動物は春が出産の時期であるため、今は野生動物の狩猟の季節ではない。したがって、動物が妊娠し、出産する時期では、あまり自然の中にいかないように密猟者もある程度は控える。四肢動物の狩猟の季節は、多くの場合、秋や冬である。」と述べた。
テヘラン州野生動物関係管理局の局長は、自身の発言の他の箇所で、環境庁が少なくとも年に1回は、ウリアル、野生のヤギ、チンカラとガゼルを含むテヘランの大型草食動物を調査していることにふれた上で、「昨年冬のテヘラン州野生動物最新統計によると、大型の四肢動物の個体数は、イラン暦1397年(西暦2018~2019年)と比べて5から10%増加している。」と述べた。
キャラミー局長は終わりに、テヘラン州の野生動物の個体数が増加した理由について、「野生動物の個体数が増加した根本的な要因は、大型草食動物の出産の増加である。調査の対象地域の拡大と、この調査の精度の向上が、他の理由の一つである。」と説明した。
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翻訳者:YH
記事ID:49201