アンダルスでシーア派が定着しなかった原因に関する研究書が出版

2020年06月10日付 Hamshahri 紙

 ホセイン・ホスラビーḤoseyn Khosravī氏が著した研究書『アンダルスでシーア派が定着しなかった原因Nāpadīdārī-ye tashī‘e dar Andals』が教育出版とイスラーム教育大学により出版された。

 本紙によれば、イスラーム教育大学の歴史文明研究グループは、アンダルスにおけるシーア派の量的、質的調査の必要性を鑑み、6章408ページからなる研究書『アンダルスでシーア派が定着しなかった原因』を出版した。

 アンダルスの歴史について現存する最古の史料として参照し、本書には以下のように記されている。「当地の人々の、イスラームの預言者の家族(アフフルバイト)に対する尊敬と関心は、文学テキストや、[カルバラーで殉教した3代イマームでアリーの子]フサインの哀歌、硬貨、建築などに見て取れる。残念ながら、この地域にシーア派の儀式や哲学思想は到来しなかった。それゆえ、本書はアンダルスにおけるイスラーム文化、特にシーア派の思想や信仰が発展せず定着しなかった状況の背景を示すことを目的としている。」
 
 この研究で収集されたデータの分析と構成で得られた結果は次のことを示す。アッバース朝がマフディー信仰を構造的に利用した[シーア派の]ファーティマ朝とアラウィー派と対立し過敏に対応したこと、ムラービト朝のシーア派思想との争い、シーア派運動と蜂起の鎮圧、およびウマイヤ朝のシーア派信徒との対立が、アンダルスにおけるシーア派定着の主たる障害となった。

 ホセイン・ホスラビー(著)『アンダルスでシーア派が定着しなかった原因』は、イスラーム教育大学と教育出版により7万トマン(約350円)で出版された。


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翻訳者:YI
記事ID:49634