■湾岸諸国のコロナ対策には数千億ドルが必要
【本紙】
コロナウイルスは湾岸経済を含む世界経済に数千億ドルの損害をもたらした。S&Pグローバルの最新の報告書によると、コロナウイルス危機と石油価格の下落によって資金需要の増加する中で、湾岸諸国の政府債務は2020年には約1000億ドルという記録的な額で増加する見込みだ。また、湾岸協力理事会(GCC)諸国の中央政府の赤字は合計で約1800億ドルを記録すると予測される。そして、そのうち1000億ドルは借入等によって、約800億ドルは政府資産によって賄われるとした。なお、これはブレント原油の価格が今年いっぱいは1バレルあたり30ドル、21年に50ドル、22年に55ドルに達するという観測に基づくものだ。
湾岸諸国はパンデミックにより甚大な被害を受けたうえ、原油安によって状況はより悪化しており、ほとんどの国が100億ドル規模の財政赤字を予想している。また、S&Pグローバルは湾岸諸国の財政赤字が2020年から23年の間に約4900億ドルに上ると予測している。
一方アラブ実業家連盟は、コロナの流行によるアラブの経済損失を約3230億ドルと推計した。これは、アラブ(地域)の経済規模の12%に達する可能性があるという。なお、この見積もりはIMFの最新の報告に基づいて行われたものであり、その報告によると中東及び北アフリカ地域の経済はコロナウイルスとの闘いと原油安によって3.3%縮小するとされている。
(後略)
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翻訳者:高橋英佑
記事ID:49674