鶏肉と茄子のタフチーンの作り方/シーラーズ固有の魅力的なイラン料理
鶏肉と茄子のタフチーンは,イランの伝統的なタフチーンの一つであり,特にファールス州とシーラーズ市に固有のものである。このタフチーンは会食料理の一つであり,接待や祝賀の際にも作られる。
レシピ-茄子のタフチーン
タフチーンは祝賀や大きな接待,特に結婚式の華やかなテーブルにしばしば登場する料理である。数多くあるタフ・チーンの中でも,鶏肉のタフチーンは最も有名である。しかし,味以外の観点でも,若者に人気の茄子のタフチーンも,新しい美味しさで人気を誇っている)
*材料(6~8人前)
・長茄子…4本
・羊肉もしくは鶏肉…600グラム
・ソテードオニオン…300グラム
・水切りヨーグルト…2カップ
・鶏卵…6個
・米…1キログラム
・薔薇水…大さじ1
サフラン,カルダモンパウダー,塩コショウ,油…各適量
*茄子のタフ・チーンの作り方
☆手順1
・卵黄を薔薇水,水切りヨーグルト,カルダモン,煮出したサフラン,塩少々と油適量を良く混ぜる。この色鮮やかな黄色い(タフチーンの)元を味がなじむ様に30分置く。
茄子を香りの強いオイルで炒めないように。また必ずソテードオニオンとニンニクを加えること。
☆手順2
羊肉を好みの大きさに切る。ヨーグルト,サフラン,塩コショウを混ぜたものに、肉が柔らかく味が染み込むまで最低でも2~3時間寝かせる。
鶏肉を使う場合には,鶏肉を玉ねぎのみじん切りと一緒に塩コショウで炒める必要がある。完全に火が通ったら,骨は取り除き身の部分を手で細かくなほぐす。
赤身肉を使う際も鶏肉と同様,肉をほぐすこと。
油の代わりにバターを使うことで,良い味のピラフになる。
☆手順3
茄子の皮をむき,真ん中から半分に切る。手頃な大きさの器に水を張り,塩を加えたものに茄子を入れ,1~2時間置く。
茄子を調理する前に,何本かの切れ目を入れて塩をまぶし、冷たい水に漬けておく。農薬を落とすためと味を良くするために,しばらくして黒く濁った水を取り替える。その後,布巾で茄子の水分を拭き取り,弱火で調理すること。あまり焼き過ぎないこと。
次の段階で,これらを少量の油で炒める。苦みをなくし,茄子が多く含んでいる水分を飛ばすため,火が通ってきたら塩を加える。ここで水分を飛ばしておくことで,米を炊いた時にお米が柔らかくなりすぎるのを防ぐことが出来る。
☆手順4
水に浸した米を芯が柔らかくなるまで沸騰した湯で煮る。(日本の指で米粒を押したとき、お米の芯がまだ乾いて固くなくなったらOK) お米を完全にお湯から揚げ、これをヨーグルトとサフランを混ぜたものと合わせる。パイレックスの器の底に少量の油を引き、温め,ヨーグルトとサフランを混ぜたものをスプーン数杯分入れる。こうすると、タフ・チーンのおこげをこんがりさせるだけでなく、ピラフを楽に鍋から取り分けることができる。
このタフ・チーンは肉なしでも食べることができる。
☆手順5
お米を一層分器の底に入れ,その上に【手順2】の羊肉や鶏肉を混ぜたものを敷き詰める。【手順3】の茄子も,一緒に並べる。具材をピラフの混ぜ物の層が隠れるまで,器の側面には,約2センチ隙間をあけておくこと。次の層も同様に並べる。茄子のタフ・チーンの最後の層には,お米を敷き詰める。最後のお米の層の表面に水と油をまぶす。
☆手順6
この器を150度のオーブンの下段で約1時間30分加熱する。お米がこんがりとしたら,器をオーブンから取り出し,しばらくしてひっくり返す。
彩りに,ゼレシュク【訳注:メギ科メギ属の植物で,赤い果実は食用にされる】や熟したチェリー、サフランライス,細長くカットされたピスタチオやアーモンドで飾り付ける。
この記事の原文はこちら
翻訳者:S.M.
記事ID:49807