巨匠シャジャリヤーン氏死去 イランの歌の王者、羽ばたく
2020年10月08日付 Iran 紙
巨匠モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏は長い闘病生活の末、本日(木曜日)午後テヘランにあるジャム病院で亡くなった。
モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏は1399年メフル月14日[西暦2020年10月5日]、容体悪化が原因で再びジャム病院のICU[集中治療室]へ最後となる入院をしていた。
シャジャリヤーン氏はメフル月14日に、心臓、肺、呼吸の全般的に不安定な状態、及び意識レベルの低下、血圧低下と血小板の減少などで、ICUに入っていた。
シャジャリヤーン氏は同様に、今年のモルダード月25日[西暦2020年8月15日]から意識レベルの低下と敗血性ショックが理由でこの病院のICUに10日間入院していた。
彼は昨年[イラン暦1398年]のバフマン月[西暦2020年1月21日〜2月19日]にもまた心臓病から生じた肺の機能障害の再発によりジャム病院に入院した。同年エスファンド月2日[西暦2020年2月21日]金曜日の朝には、彼の息子であるホマーユーン・シャジャリヤーン氏が父のバイタルサインモニターの写真を公開し、シャジャリヤーン氏のファンの不安を拭い去った。
シャジャリヤーン氏は今年のファルヴァルディーン月5日[西暦2020年3月24日]、全般的に体調が良好となり退院した。ジャム病院理事会の発表によれば、彼の担当医らの監視下で病院外で治療が行われた。
シャジャリヤーン氏はイランの伝統的な音楽と歌の分野において最も卓越した芸術家であり、「イランの歌の王者」として知られている。
彼は1395年のノウルーズ[西暦2016年3月20日/ノウルーズはイラン暦の元日で、イランを中心に中央アジア、アゼルバイジャンからアフリカまでに及ぶ広い地域で祝われる]において新年のお祝いをする際にビデオを公開し、自身が癌を患っていることを公表した。その後、現在に至るまで医師の監視下で治療に専念していた。/イルナー通信
彼の息子であるホマーユーン・シャジャリヤーン氏はこの知らせを自身のインスタグラムのページで次のように綴った。「イランの人々の足元の土[シャジャリヤーン氏]が愛される者[神]を訪ねようと飛び立った。」
モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏の亡骸はベヘシュテザフラー[イラン、テヘラン南部に位置する、国内最大の共同墓地]に
ジャム病院は数分前、インスタグラムに以下のような投稿をした。「我々の親愛なるシャジャリヤーン氏は、医療チームの努力にもかかわらず数分前にこの世に別れを告げました。彼の亡骸は浄め[洗体]の儀式と[葬儀の]礼拝を執り行うためにベヘシュテザフラーへ移されました。ジャム病院はイランの全ての親愛なる同胞と芸術家にこの喪失についてお悔やみ申し上げます。」モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏はメフル月17日[西暦10月8日]木曜日、長い闘病生活の末、80歳でこの世を去った。/ISNA[イラン学生通信]
ホマーユーン・シャジャリヤーン氏「父の亡骸はフェルドウスィー廟の近くに埋葬されるだろう」
ホマーユーン・シャジャリヤーン氏は、父モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏の死去の知らせを聞いた後テヘランのジャム病院の前に集まった人々の中に姿を現し、以下のように述べた。「父の亡骸はテヘランのベヘシュテザフラーで弔われ、その後フェルドウスィーの墓廟の近くに埋葬されることになるでしょう。」
彼は木曜日の夕方にジャム病院の入口の階段に立ち、人々に向けて次のように付け加えて述べた。「これは家族の決定です。すでに父の亡骸はベヘシュテザフラーへ移されました。」/IRNA[イスラーム共和国通信]
シャジャリヤーン氏のファンら、ジャム病院の前でろうそくを灯す
数時間前からジャム病院の前に集まっていたモハンマドレザー・シャジャリヤーン氏のファンの人たちは故人を偲んでろうそくに火を灯し、彼の歌を口ずさんでいる。
シャジャリヤーン氏のファンらは1時間前のホマーユーン・シャジャリヤーン氏のスピーチの後と比べればかなりの人数がその場を立ち去っていたが、少なくなりながらも今もなおファンらがそこにとどまっている。
シャジャリヤーン氏の主治医「シャジャリヤーン氏の治療のためにできることは全て行った」
モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏の主治医であるハサン・アッバースィー医師はシャジャリヤーン氏の治療のためにできることは全て行った旨を強調し、以下のように述べた。「この数日間様々な分野の同僚たちと共に懸命に治療に専念してきました。同氏のために必要な治療は全て行い、昼夜を問わず彼の治療にあたりました。しかしながら、様々な臓器が機能不全を起こしており、このことを踏まえるとこれ以上治療を続けることは不可能との判断に至りました。」
アッバースィー医師はこれに関して以下のように付け加えた。「シャジャリヤーン氏は約6か月前から多くの問題が見つかっており、以前に二度この病院(ジャム病院)に入院しましたが、進行していたその極めて重篤な病状は、治療をしたことで抑えることができました。
彼はまた述べた。「2、3日ほど前より、残念ながら深刻な問題がシャジャリヤーン氏の心臓、腎臓、肺を含む様々な臓器に次から次へ起こり治療を困難なものにし、同氏はやむなくICUに入ることになりました。この数日、様々な分野の同僚が懸命に治療にあたり、同氏のために必要な治療は全て行い、昼夜を問わず彼の治療に従事しました。しかし、様々な臓器が機能不全を起こし、それ以上の治療の継続に彼の回復の見込みはなくなり、残念なことに本日午後4時13分にシャジャリヤーン氏は亡くなりました。」
医師団のメンバーは以下のように述べた。「シャジャリヤーン氏の多くの内臓器官の機能不全が彼の死因でした。」
モハンマドレザー・シャジャリヤーン氏の医師団の一人、メフルダード・ボフルーリー氏は、彼の死因は多くの内臓器官の機能不全だと述べた。
彼はこれについて、「シャジャリヤーン氏の状態ははじめから安定していなく、もしあなたが病院の発表を見たら、最後の診療時の彼の容体は非常に重篤であったとわかるでしょう。」
彼は続けて述べた。「我々は皆さんの準備のために朝に何らかの発表を行う予定ですらいましたが、控えることにし何もしませんでした。」
ボフルーリー医師は、「シャジャリヤーン氏の容体は全てにおいて良くなく、内臓は機能不全を起こしており、昨日からは腎臓の一方も機能を停止していました」と語った。/IRNA
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翻訳者:NA
記事ID:50151