■ムハンマド・マースーと弟アラーウ、シリアの戦禍によって引き裂かれた二人がオリンピックによって再び団結する
【FilGoal:イスラーム・アフマド】
2015年10月には、シリアにおける紛争の激化によりトレーニング施設が被害を受けた。そこでマースー兄弟は同国を去ることを決意した。
ムハンマド・マースーはウェブサイト「BeinSports」に対して次のように述べ、自身の今までの行程を明らかにした。「シリアからレバノンに発ち、その後トルコへ、そしてトルコからギリシャへ向かった。何千人ものシリア人と同じように海路を用いた。自らが試みようとしている一歩がどれほど危険なことか想像もつかなかった。出発からわずか3日前、父は私に対し、弟に付いていきたいと考えているかを尋ねた」。
アラーウはオリンピックの公式ウェブサイトに対し、「状況は常に沈んでおり、決して好転することはなかった」と語った。
アラーウと彼の兄ムハンマドは安全な避難場所を見つけようとした。
そしてマースー兄弟はオランダに到着し、2016年にはドイツのハノーファーに落ち着くことになった。そこで、アラーウは再び競泳競技へと復帰した。
21歳になるアラーウは、シリアを脱出したために失った数年にわたる教育を取り戻すため、再び学校生活へと復帰することができた。
アラーウは6年間、いまだシリアで両親に会うことができていない。
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