イランとターリバーン こんなに遠く、こんなに近い(2)

2021年11月09日付 Hamshahri 紙

―(1)の続き―

 スプートニク通信がアフガニスタン国内の消息筋による情報に基づき報じたところによると、この間、アフガニスタン・イスラーム首長国の使節団がイランを訪問する前に、アフガニスタン民族抵抗戦線[NRFA]のアフマド・マスード[マスウード]司令官がイランを訪れ、去る水曜日にマシュハドで、元ムジャーヒディーン司令官で前ヘラート州知事のムハンマド・イスマーイール・ハーン氏と会談した。

 スプートニクはさらに、アフマド・マスード氏はこの会談で、アフガニスタンに包括的な政府を樹立するように求めるタジキスタンのエマモリ・ラフマン大統領のメッセージを伝えたと報じた。同報道によると、イスマーイール・ハーン司令官はいまだこのメッセージに対して返事をしていない。特筆すべきことに、民族抵抗戦線もまた今までにこの点について何も発表していない。アフマド・マスード氏によるこのような訪問は、長年の我が国での生活や教育、また同氏の家族がイランにいることから、それほど奇妙なことではないが、今回のこの時期の訪問には意味がある可能性がある。たとえば、一部の専門家はこの訪問を、イランの条件が受け入れられなければ我々[イラン]の政策は変わりうると警告する、イランからターリバーンへのメッセージであるとみなしている。とはいえ、ターリバーンの我が国への行き来は新しいことではなく、今後も確実に続いていくだろう。しかし、いずれにせよ、この往来は政治的メッセージを持ち、意味がある。またイランはこのグループ[ターリバーン]に対し期待を有しており、それらが実現すれば近い将来このグループをアフガニスタンの政権として正式に承認することになるかもしれない。もしこのようなことが起きれば、第13期政府によるこの地域内で最も重要な外交判断とみなすことができるだろう。


アフマド・マスード氏のイラン滞在とターリバーンの正当性に対する外務省の反応

 外務省のサイード・ハティーブザーデ報道官は自身の記者会見で、アフマド・マスード氏のテヘラン訪問に関する質問に答えた。「イランへの来訪、中でもアフガニスタン[からの来訪]に関しては、カーブル[アフガニスタン政府]と友人たちの情報を受けつつ、アフガニスタンの市民らと諸グループにより様々な理由で行われてきたし、今も行われている。」同氏は、アフガニスタン問題担当イラン特別代表のハサン・カーゼミー・ゴミー氏が近いうちにカーブルに訪問する予定であるとし、隣接する両国間のこの往来はこれまでも実施されてきたものであり、今後も続いていくだろうと述べた。

 外務省報道官はターリバーンの正式な承認に関する質問への答えも説明した。「我々は今、アフガニスタンの統治管理体[暫定政権]の正当性について話す段階ではない。責任ある政府としての、アフガニスタンの全ての部族・民族を含む包括的な政府が、国際社会が待ち望んでいるもの[政府]である。我々はアフガニスタンの人々を置き去りには出来ず、統治管理体はイランの立場がわかっている。我々は彼らに対し、責任ある統治体[政府]として行動するよう求める。」


―了―


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翻訳者:SKOK
記事ID:51934