アンタリヤのハンガリー・モスク、落書き消しに40日
2021年12月09日付 Milliyet 紙
アンタルヤのセリキ区にある古い歴史を持つマジャール(ハンガリー)・モスクの壁に落書きが行われ、これは5人からなる専門家チームの40日間に亘る作業によって消された。
アンタルヤ環境監視調整局(YIKOB)の文化財課の関係者たちは、セリキ区のゲビズ地域にある13世紀から15世紀の間に建てられたと推定されるマジャール・モスクの壁に卑語や罵り言葉を含む落書きが行われており、これの清掃に取り掛かった。
エルスィン・ヤズジュ知事の指示のもと、保護と修復の専門家含む5人からなる対策班が結成された。対策班は、モスク内部の手書きの装飾がある場所に、何者かが卑語、政党名、罵り言葉を含む落書きをおこなっており、これを40日間かけて清掃した。
文化財課の課長であるジェミル・カラバイラム氏は、落書きを消す際、歴史をもつ装飾を傷つけないよう、化学成分を用いない自然の手法を用い、極めて慎重に清掃を行ったと述べた。
カラバイラム課長は、このモスクは私有であると言及し、アンタルヤ県庁とセリキ自治体によってモスクの土地を収用するため手続きを開始したと発表した。
■マジャール・モスクの建築上の特徴
マジャール・モスクは、アブドゥルラフマンラルとゲビズ間の途上にあり、ゲビズ地区の中心からおよそ1.2㎞離れた場所に位置し、2013年にアンタルヤ保護地域委員会によって認定された。建物は、方形で穹隅を設けドームを掛けたひとつ空間屋内をもつものとなっている。
建物へは北側にある四角形の開閉式の扉を開けることで入ることができ、建物の南東と南西側の隅にそれぞれ方形の窓が、そして西側の中央にも方形の窓がひとつある。
建造年は定かではないが、先の尖ったドーム、資材と技術上の特徴、ミフラーブ(説教壇)が低くシンプルなつくりになっていることなどを斟酌すると、このモスクが13世紀から15世紀[建造]のメスジト(礼拝所)と類似していると言われる。
建物の内部の壁には、ドームを通す場所及びドームの内部に手書きの装飾が施されている。当該装飾は白い石灰入りの石膏の上に青、ライトグリーン、黄色、茶色を用いて施されたものである。装飾は巻き上がった枝状の植物を描いた円形状のもの、オスマン語の文字、鳥や幾何学模様が描かれたものである。
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翻訳者:山下鈴奈
記事ID:51982