■世界銀行がレバノンにおける経済崩壊の責任を政治エリートに帰する…経済崩壊が国家の安定と社会的な安全に与えうる影響
【ダマスカス:本紙】
レバノンのアミーン・サラーム経済大臣によると、この交渉は、IMFが金融部門および銀行部門の損失額(いわゆる「資金ギャップ」)に関連して明確化することを求めた各統計値についての準備的な議論が完了したのち、開始されるという。
レバノンは2020年5月、支援プログラムをめぐるIMFとの協議に着手したが、これは同年8月に中断した。その後ナジーブ・ミーカーティー氏を首班とする新政府が発足したのち、2021年10月初旬に再開された。
レバノンは2019年に、巨大な支出額のコントロールに失敗したことにより金融崩壊へとおちいった。これは同国に競合する諸派閥間の相互非難を生み、債務額の拡大や政治的な麻痺をもたらした。さらに、同国に改革がなされないかぎり、外国の融資者らが同国を救済することを差し控えるという状態さえ生まれた。
現在、レバノンは深刻な経済的・社会的危機に苦しんでいる。同国通貨であるレバノン・ポンドの対米ドル為替は段階的な崩落・下落を見せ、その価値の90%以上が失われた。さらに同国の失業率はいまだ高水準で推移しており、人口の半数以上は貧困ラインを下回るなかで暮らしている。
レバノン政府は今年、燃料といった生活必需品に対する補助金を段階的に引き上げた。その結果、ガソリンの20リットルあたりの価格は最低月額賃金の半額程度となっている。
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