■バルキース・シャラーラと記憶のかばん:イラク人の食とリフアト・チャーディルジーの香りについて
【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】
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〇レバノンのクッベとイラクのクリーチャ
したがって、バルキースの日記の大部分からはイラク人とレバノン人移民の食に関する記憶を知ることができるが、特に彼女が口にするのをずっと拒んでいたレバノンのクッベ・ナーイエ(生のクッベ)のエピソードは印象深い。彼女は幼い頃に無理やり食べさせられて以来、ほとんど全ての生ものを嫌っていたのだ。おそらく、クロード・レヴィ=ストロースが言うように、生の食べ物というのはほとんどの場合「自然」に結びつけられ、一方で調理されたものはバルキースが心酔していた「文化・芸術」に結びつけられるためだろう。
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