エジプト:5か国サミットの開催と対外債務問題(3)

2022年08月23日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ビン・ザーイド大統領はエジプトでワッラーク島とナセルシティの行き詰っている協定について協議

【カイロ:本紙】

≪行き詰った契約≫

火曜(23日)、エジプト大統領は日曜日に到着したUAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領とヨルダン国王、バハレーン国王、そしてカーズィミー首相をエジプト北西部のエル・アラメイン空港で迎えた。

ムハンマド・ビン・ザーイド大統領にとって、今年5月に大統領職へ正式に就任してから初のエジプト公式訪問であり、エジプト当局にとっても今回の訪問は最重要事項だとみなされている。というのも、UAE企業がエジプト政府の保有していた企業の株式を複数取得したからだ。

また複数の情報筋によると、UAE・エジプト間の協定が行き詰まったタイミングで今回の訪問となったが、その原因は住民の一部が立ち退きを拒否しているため、エジプト政府がワッラーク島をまるごとUAE人投資家に引き渡すことができていないことだという。さらに、エジプト政府の保有するナセルシティの住宅建設会社の株式をUAEが取得する交渉が、始まってから数か月も経つものの行き詰まっているという。これは、安全上機微な地域であるカイロ東部において、ひとつの投資グループが取得することを安全面および政治面から許容できる土地の面積に関して、そういった側面への大統領府の警戒感が高まっているからだ。

そして、会談内容はマスピロ・タワーズに隣接する外務省の建物を購入することで、マスピロ・トライアングルと呼ばれる地区においてUAEが勢力を拡大することや、7月26日通り、および「バラフ・エージェンシー」と名付けられた商業地区に残っている住人の移住を終了する計画にも及んだ。

今年4月、エジプト政府は保有する5つの上場企業の株式をUAEの持ち株会社に18億ドルで売却した。これにより、今年UAEの政府系ファンドが買収した企業は合計で7つとなった。

エジプトの反体制派が国有財産を失うとして反対したこの契約は、エジプト政府がここ数年にわたり採用していた借入政策の結果である。

複数の企業というエジプトの国有財産をUAEとサウジアラビアの政府系ファンドへ売却したのは、エジプトが経済セクターから撤退し、対外債務が膨らみ経済危機を迎える中でドルを調達する一環である。なお、エジプト・ポンドの価値はここ1カ月の間に対ドルで約19%も下落している。

経済の専門家であるハーニー・ガニーナ氏は、資金不足のため、エジプトには年末に償還期限を迎える債務が推定平均で300億ドルあると明らかにした。

(後略)

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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:53952