■ロシアによる「凍結」に対して…「暖かい冬を求めて」欧州はアルジェリアに「上陸」
【アルジェ:本紙】
天然ガス危機によってアルジェリアは欧州諸国の大きな関心の的となった。ロシアと西側からの支援を受けたウクライナとの激しい戦争が続き、ロシア政府は自国と欧州とをつなぐ天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」を完全に閉鎖することで実質的に輸出の「凍結」延長を決定する中で、欧州諸国はあらゆる方法でロシア依存からの脱却を模索しているからだ。
ここ数日、欧州の政府高官らが(アルジェリアに)外交目的で降り立った。地中海の両岸を結ぶ使用可能なパイプラインが整備されていることでアルジェリア経由での天然ガス輸送が容易となる中、彼らは欧州大陸への供給量を増やす可能性についてアルジェリアと協議した。さらに、ポルトガルとスペイン、フランスを結び、ロシアの天然ガス供給停止の影響を最も受けているドイツに至るパイプライン建設のための欧州のプロジェクトが再び活性化している。
一昨日(4日)の最も注目すべき来訪者は、欧州理事会のシャルル・ミシェル議長だ。ミシェル議長はアルジェリアを訪問し、アブドゥルマジード・テブン大統領との単独会談を行った後、アルジェリア政府の閣僚やエネルギー部門の高官らを多数交えた拡大会合を行った。ミシェル議長はテブン大統領との会談後、「我々皆の知るところとなった国際情勢を鑑みると、エネルギー分野での協力が基本となるのは明らかで、アルジェリアはエネルギー協力の分野において忠実で献身的な信頼できるパートナーだと我々は考えている。」と述べた。
また、その前にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領がアルジェリアを訪問している。マクロン大統領は天然ガスが訪問の中核をなすことを否定していたにも関わらず、フランスのメディア各社はフランス企業のエンジーがソナトラックとアルジェリアからの天然ガス輸入量を50%増加させる交渉を行っていると報じた。なお、エネルギーを節約するために家庭での暖房の設定温度を19度以上にしないよう政府が要請したことを受けて、フランス人は厳しい冬に怯えている。
マクロン大統領は、アルジェリアでの演説の中で「アルジェリアの天然ガスはフランスにおける均衡を大きくは変えないだろう。なぜなら、フランスは自国のエネルギー・ミックスの20%のみを天然ガスに依存しており、アルジェリアはフランスの天然ガス消費の8%を占めるに過ぎない。」と語った。しかしその一方で、「天然ガスの輸入元多様化の枠組みにおいて、アルジェリアの天然ガスは欧州にとって重要だ。」と明らかにし、「我々はアルジェリアが供給を増やすことに感謝しなくてはならない。天然ガスの供給はアルジェリアとイタリアとを結ぶパイプラインを通じて行われ、供給量には50%の増加余地がある。これは、エネルギー分野において欧州が連帯し、天然ガス輸入元の多様化を可能にする助けとなるだろう。」と述べた。
マクロン大統領は、アルジェリア訪問が遅れたことや、冬直前になって同国との天然ガス契約の合意に至ったことについて、強い批判、特に野党の左派政党党首であるジャン=リュック・メランション氏からの批判を受けた。メランション氏は「マクロン大統領はイタリア人がアルジェリアとのガス契約に成功するのを傍観し、そして自分もアルジェリアに行ったが手ぶらで帰ってきた。」と語った。
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