エジプト:エスナ神殿天井の壁画の修復作業が完了(2)

2022年09月22日付 Al-Ahram 紙

また、エジプト考古登録センター中央管理局長でエジプト側の調査隊長であるヒシャーム・ライスィー博士によれば、調査隊は同様に、神殿内部に鳥が巣を作るのを防止することに成功した。鳥の落としものは、時間の経過とともに神殿の外観、浮彫り、彩色を損なわせてきた。そこで調査隊は遺跡に痕をつけることなく、鳥が天井や柱に巣を作るのを防止することを目指した、エジプト考古常任委員会の計画を実施した。それは高温、湿気、錆びに強いクロムの土台にステンレスの棘を設置する方法で、成形が容易な棘の束がついたひとつの部品の長さは50センチメートルであり、鳥はそれに近づくと死に至るというものである。

修復チームのリーダーであるアフマド・イマーム教授が示したところによると、まず神殿の番号12の柱で鳥よけの基礎的な実験をおこない、それによりアイデアの成功が証明されたため、エジプト考古常任委員会の同意のもと、神殿のすべての柱へ棘の設置を開始した。

エスナ神殿は、エスナ市のナイル川西岸から約100メートルのところにあり、その歴史はローマ時代に遡る。西暦1世紀のローマ皇帝クラウディウスの時代に建設が始まり、249~251年のデキウス帝の時代に浮彫りの装飾が完成した。この神殿は、雄羊の姿をしたクヌム神の崇拝のために建てられた。


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翻訳者:坂井七海
記事ID:54112