エジプト:上エジプトでのシャンポリオンの日記 (2)

2022年09月16日付 Al-Ahram 紙
このようにして、若いシャンポリオンの心に、古代エジプト文明の秘密を解き明かすことへの情熱と愛着が芽生えた。その後彼は、ロゼッタストーンのテキストを解読するために、人生の早い時期から自身の学問的かつ知的な準備を開始し、アラブ、ヘブライ、カルデア、シリア、ペルシャ、クシの言語を勉強し始めた。そして、解明が実現できないために停滞していた、先人の研究を熱心に引き継いでいた。また、これより前の17世紀中ごろに学者であるキルヒャー神父により、古代エジプト語の影響が19世紀までエジプトで修道士が話していた方言であるコプト語の中に残っていることがわかっていたため、シャンポリオンは、ロゼッタストーンの象形文字の解読を可能にするために、コプト語を学習し、コプト語研究に力を入れた。

若い学者シャンポリオンは骨身を削る研究の末に、重要な真実に到達するに至った、とアッバース博士は明らかにする。それは、ロゼッタストーンにあるヒエログリフのテキストは、欠損があるものの、ギリシャ文字のテキストより多くの象形文字を含んでいることに表れている。この点について説明されなければならなかった。シャンポリオンは、文字が多い理由は、古代エジプト語が表意文字であると同時に表音文字であることに由来すると解明した。つまり、それは読まれる文字と読まれない文字を含んでいて、読まれない文字は単に単語の意味を限定するためにテキストに存在するということだ。

(後略)


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翻訳者:中村観月
記事ID:54142