パレスチナ:パレスチナの歴史を物語る約10,000点の貴重な遺物を生涯かけて収集した元教師

2022年11月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■フルーブ氏はパレスチナの歴史を語る10,000点の遺物を収集(画像)

【ヘブロン:カイス・アブー・サムラ】

パレスチナ人のイスハーク・フルーブ氏は、自ら約10,000点の遺物を収集し、パレスチナ最大の博物館を設立した。館内にはさまざまな時代に関する多くの遺物が展示されているが、その多くはオスマン帝国時代に遡る。

元教師のフルーブ氏は、「情熱に突き動かされて、自分の人生と財産をパレスチナ民族のアイデンティティと歴史を形成する貴重な遺物の収集につぎ込んだ」と語った。

「ヘブロンの南にある小さな村デイル・サメト村に住んでいた子供のころ、陶器の水差しが割れて庭に投げ捨てられたことが(収集の)始まりだった」いくつかの展示品を点検しながら、彼は『アナドル通信社』に話した。

そして、「水差しが捨てられた数日後、私はそれを大事に取って置こうと決めた。将来、自分の孫たちに、この水差しで私は水を飲み、私の父は沐浴で使っていたと教えたかったからだ」と続けた。

彼は今でもその水差しを収集品として所有している。

歴史的パレスチナ地域やシリア、レバノン、ヨルダンの難民キャンプを巡って遺物を手に入れ、価値のある貴重な物は残し、それ以外は家族を養うために売却したこともほのめかした。

フルーブ氏は、ヨルダン川西岸地区にある複数のパレスチナ人学校で27年間、自然科学と数学の教師として勤めた。彼にはあわせて9人の息子と娘がいる。

(後略)


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翻訳者:朝比奈優有
記事ID:54433