シリア:シリア・ポンドが暴落 経済危機と国民の生活水準低下に拍車
2022年12月08日付 al-Quds al-Arabi 紙
■シリア・ポンドは約1か月で価値の5分の1を失った
【ダマスカス:アナドル通信社】
シリア・ポンド(SYP)の暴落に歯止めがかからない。1か月余りで対ドル価格の5分の1の値を下げ、底値新記録を更新した。
シリア市場の為替相場を監視しているウェブサイト「シリア・ポンド」は木曜日、(SYPの)対ドル価格の下落を発表した。
発表によると、今年10月末に1ドル=約5000SYPだった相場が1ドル=6000SYPまで落ち込んだということだ。
SYPの下落は政権支配地域の深刻な燃料危機をもたらし、多くの施設が閉鎖され、行事や活動は中止を余儀なくされた。
賃金や給料はほとんど上がらず、驚異的なSYP安を記録した。シリアの平均月収は20ドルに満たない。
近年、シリア政権は反政府勢力から国土の広い地域を奪還したが、政治的解決策に応じないために、復興に向けた国際社会からの支援を得ることができずにいる。
加えて、米国がシリア政権に対して発動したシーザー法制裁で、シリアが直面する深刻な経済危機はますます悪化した。
シリア政権は、度重なる(政治)腐敗により深刻な危機を軽減する計画を立てることができず、経済の完全崩壊を食い止めるために、同盟国であるイランとロシアにほぼ全面的に依存している。
国連の推計によると、シリア国民の90%が貧困ライン以下の生活を送っている。
この記事の原文はこちら
翻訳者:宮元万緒
記事ID:54609