ネタニヤフは国内反発の危機回避に躍起/イスラエルはイスラーム世界の団結を恐れている
2023年04月04日付 Jam-e Jam 紙
〜本紙電子版が地域問題の専門家へのインタビューをもとに、シオニスト政権による直近のシリア攻撃の原因を探る〜
西アジア地域の専門家は、「シオニスト政権がシリアに対して仕掛けた盲目的で卑劣な攻撃は、占領地の住民がネタニヤフ政権に加えてきた極度の圧力が同政権に対し焦りをもたらしていること、またそのため同政権は国内情勢の危機的状況を抑制し得る成果を求めていることを示している」と述べた。
【ジャーメ・ジャム電子版】セイエド・レザー・サドゥロルホセイニー氏は、本紙電子版のインタビューで、直近のシリア攻撃におけるシオニスト政権の目的について、以下の通り述べた。「この政権は、今もなお過去50年間と同じように、国内情勢の危機を国外に転化することに全力が傾注されており、この手法は継続的戦略の一つとして、同政権の政策課題に位置付けられている。」
同氏は続けて、「実際に、シオニスト政権がシリアに対して仕掛けた盲目的で卑劣な攻撃は、占領地の住民がネタニヤフ政権に加えてきた極度の圧力が同政権に対し焦りをもたらしていること、またそのため同政権は国内情勢の危機的状況を抑制し得る成果を求めていることを示している」と述べた。
同西アジア情勢専門家は、シオニスト政権のもう一つの目的はアラブ諸国間の関係改善プロセスをかき乱すことだとし、以下の通り付け加えた。「およそ12年前から現在までの期間、同政権が努めてきたのはシリアがアラブ連盟に復帰しないようにすることであったという点に注目すると、アラブ諸国間の現在の雰囲気は、この問題が解決に向かっていることを示しており、シリアは歴史的にみて常に対シオニスト政権の最前線にあり続けたアラブ連盟の強力な加盟国の一つとして、同連盟に再加し、連盟内で独自の立ち位置を見出そうとしている状態にある。」
サドゥロルホセイニー氏はシリアのアラブ連盟復帰を同連盟内の状況を変化させるものとみなし、以下の通り付け加えた。「シオニスト政権は、アラブ連盟の反シオニスト的態度を阻止するために、域内アラブ諸国間、特にシリアとサウジアラビア間で対立を深刻化させ、両国間の政府高官の会談がほぼ確実に行われそうな新たな状況が実現に至るのを防ごうとしている。」
同氏は次の通り発言した。「また、シオニスト政権の目的は、イランの計算を狂わせ、イランが侵略的かつ好戦的な国家として認知されるよう、国際社会にイランの動きを提示し得るようにすることでもある。」
さらに同西アジア地域専門家は、「このことに基づき、同政権は、通常はシリアにおけるイランの国益にそれほど大きな損害を明確に加えることはないものの、メディアによる過度な報道により、イラン国民の一般世論や安全保障問題を担当する高官らの考えを、彼らが何らかの行動を起こすような仕方で混乱させる措置を取ることによって、可能な限り国際社会内で反イランの立場での自身の主張を提起し得るように働きかけているのである」と付け加えた。
同氏はまた同時に以下の通り説明した。「シリア国内で抵抗運動に対して実施された各作戦に対し、報復的措置が取られてきたにもかかわらず、シオニスト政権の国内メディアはそれらの情報をどのような形でも話題にあげず、同政権の安全保障当局はそれらの情報をメディアで報じたり発表したりする許可を与えないのだ。」
サドゥロルホセイニー氏は、次のように述べた。「しかし、抵抗運動やイランの行動を支配する合理性は、地域諸国の行動のあり方を変えようとするシオニスト政権のシナリオを決して実現させることはなく、抵抗運動が同政権を消滅させようとする計画は依然として存在し続けるであろうということを我々は承知しておかねばならない。」
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翻訳者:AT
記事ID:55394