ヨルダン:ヨルダン・イスラエル関係は複雑さと緊張の度合いを増している(1)

2023年04月23日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ヨルダン・イスラエル関係はその複雑さと緊張の度合いを増している

【アンマン:本紙】

ヨルダン・イスラエル情勢は「そもそも複雑」でもつれており、手持ちのカードで体制を整えるには舞台裏での精力的な努力が必要である。しかし、そのもつれ具合はイード・フィトル休暇のわずか2日間で何倍にも増した。

ヨルダンの議員が所有する車を用いた「大規模な密輸」の試みがあったと主張するイスラエルの公式発表があってからわずか数時間後、イスラエルはアクサー・モスクの最も重要な礼拝所の一つである慈悲の門(黄金の門)の礼拝場における嫌がらせ行為を通じて、エルサレムにおけるヨルダンの「管理権」を再び侵害する措置を講じた。

管理権の新たな侵害として、イスラエル当局は水と電気を遮断し、明確な理由なしに、慈悲の門(黄金の門)周辺にある先の主要な礼拝所からヨルダンのワクフ庁職員が職務を遂行できないよう排除したのだ。

いつものようにヨルダン外務省の報道官によって異議を唱える声明が発せられた。この事態は、単にアクサー・モスクの問題が解決しておらず、決定事項はイタマール・ベングヴィール安全保障大臣の署名によって未だにそのままになっているという、皆の記憶をイスラエル政府の右翼が呼び覚まそうとしているように見えた。そして、これはアクサー・モスクの全ての礼拝所におけるヨルダンのワクフ庁への「嫌がらせ」であり、つまりはイスラエル側が「管理権の議論」を振り出しに戻すことを決定したことを示唆している。加えて、イード前のラマダーン月最後の10日間に「お籠り(イウティカーフ)」する者たちへ便宜供与は、ヨルダンとの国際的な調整案件においてイスラエルが合意した基本事項ではなかったことをヨルダン人に思い出させたのだ。


(2)に続く


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翻訳者:萩野穂高
記事ID:55484