(続き)
「シベリアの力2」(※1)が中国に到達!
2022 年 2 月 24 日にウクライナ危機が始まった後、ロシアは自国の石油とガスの資源を特別に値下げすることで常に輸出先を探し求めてきた。これを背景に、ロシアの 2 大顧客であるインドと中国は、割引価格でロシアのエネルギー資源を購入し始めた。
2022年1月、つまり2月24日の危機が始まる前では、インドによるロシア産原油の輸入量は日量10万バレル未満だったが、この量は2023年1月には16倍に、つまり日量160万バレルに増加している。
中国は自国のロシア産原油の輸入量を約1.4倍増の1日あたり230万バレルに増やした(※2)。一方、ロシア産原油の欧州向けの輸出は、2022年1月時点で日量約240万バレルだった、翌年には60万バレルまで減少している。これらの数字は、中国とインドによる輸入は過去一年間において、ロシア経済に大きく寄与していることを示している。
ところが、ロシアは原油の販売に加えて、自国のガス資源についても欧州に代わる輸出先を探している。
一般的に、天然ガス輸送の様々な目的地を変更するには多大な時間と費用を必要とするが、ロシアは欧州のエネルギー制裁によって生じたたくさんの赤字を補填しなければならない。したがって、現状をいち早く打開するために、ロシアと中国の高官らは最近の会談で、「シベリアの力2」ガスパイプラインの実施を加速させることを強調した。 特に中国のガス消費量は2023年初めまでに約3,800億立方メートルに増加しており、ロシアは中国にさらに多くのガスを輸出することができる。
「シベリアの力2」ガスパイプラインと中露の経済関係の拡大はさまざまなメディアで取り上げられたニュースの一つであり、そのためロシアの中国依存の問題は多くの専門家らの間で語られていたが、プーチン大統領はあるテレビ番組の生放送で、このような解釈はヨーロッパの嫉妬に由来すると主張し、ヨーロッパの中国との貿易はこれらの数字をはるかに超えていると強調した。
「シベリアの力2」ガスパイプラインやその輸送量および輸送ルートについは、以下の図をご覧いただきたい。
※1;原文小見出しは「シベリアの力が中国に届く」だが、「シベリアの力」は2014年に建設合意がされ、2019年には開通されており、今回できるのは新しい「シベリアの力2」である。
※2;同じ文が2回繰り返されているため、ここでは1回目の文を省略した。
―(4)に続くー