トルコ政府の要求およびロシアの圧力により、アサド大統領は、国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)兼緊急援助調整官とダマスカスで会談した。会談では、トルコに避難しているシリア国民の帰国が議題となった。
シリアのバッシャール・アサド大統領は、選挙で野党側よりしばしば指摘される、シリア国民の帰還に関して、カザフスタンのアスタナで行われた和平協議での決議を行使するための一歩を踏み出した。
トルコおよびロシアの努力によって、シリア危機に解決の糸口を見つけ、停戦の継続と、母国を離れざるを得なかった人々が安全に帰国できる機会を提供するために、カザフスタンの首都アスタナにて、第三国の介入によって和平会談が行われていた。会議では、シリア国民の帰還のために必要な条件が形成される方向で決定が下された。トルコ政府は、シリア国民の帰国に向け、多大な外交的努力を払った。
■アサドーグリフィス会談
シリア国民の帰国に向けて、トルコ政府の要求を実現するため、ロシアはシリア政権に対して圧力をかけた。ロシアがアサド政権に対して圧力を強めてきた成果が見え始めたと評され始めている。アスタナでの決議を実行に移すためにアサド大統領は、国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)兼緊急援助調整官と会談した。会談では、大部分がトルコに避難中のシリア国民が帰国すること、それに向けて、必要な援助を行うこと、そして避難民が安全に定住することが議題に上った。
■優先的に帰国
アサド政権下の国営シリア・アラブ通信(SANA)の報道によると、アサド大統領は、シリア国民の故郷への帰還を政治問題化しないことを条件に、国民が安全に家戻ることが、政権の最優先課題であるとした。国を離れた人々が家に戻るために必要な政策を実行し始めていることを明らかにしたアサド大統領は、「しかし、帰国のためには、必要な早期再建プロジェクトが行われねばならないことに加え、国民が帰る村や街の被害を受けた部分の再建、あらゆるインフラ設備が再度立て直される必要がある。」と述べた。
■双方の間で合意
国連のグリフィス氏は会談で、シリアにおいて、帰還プロジェクトに向けて各種政策を支援し、難民の帰国のための課題に対する解決策を提供するため、国際組織が次の段階に向けて作成した活動計画をアサド大統領に提示した。一方で、グリフィス氏とシリアのファイサル・ミクダード外務大臣兼在外国民大臣の間でも、会談が行われた。会談では、特にシリアで地震の被害を受けた被災者に対し、国連による人道支援及び帰国に向けた支援活動が議題となった。会談では、帰国の促進について合意が得られた。
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翻訳者:章由実
記事ID:55884