ギリシャ正教総主教、スメラ修道院での儀式への反対に対し反論
2023年08月13日付 Cumhuriyet 紙
ギリシャ正教コンスタンティノープル総主教座のバルトロメオス総主教は新福祉党イスタンブル選出議員のドアン・ベキン議員がスメラ修道院での儀式の実施に反対しながら「ローザンヌ条約に違反する可能性がある」と発言したことに反発した。
バルトロメオス総主教はトルコ当局が8月15日にトラブゾンのスメラ修道院で「神聖な儀式」を行うための許可書を総主教座に未だ送付していないと述べた。
同総主教は「現在まで書面での許可を受け取れず、口頭での連絡があったのみだ。我々はこれに対して告知し、儀式は今年スメラ修道院で行われると伝えた。」と述べた。
バルトロメオス総主教はトルコ政府に反発し、「当局は我々にスメラ修道院での勤めを楽しむ許可を出していない。なぜ出さないのか?これはとても簡単なことだ。我らが教義、ギリシャ正教においては数時間赴いて祈り、それから帰宅する。1日もかからない、たった数時間のことだ。」と話した。
バルトロメオス総主教は新福祉党イスタンブル選出議員のドアン・ベキン議員がスメラ修道院での儀式の実施に反対しながら、それが「ローザンヌ条約に違反する可能性がある」と述べたことを取り上げ、以下のように述べた。
「議員はこの儀式がローザンヌ条約に違反すると述べた。これがどうして違反になろうか?ローザンヌ条約では他の事項も取り決めている。私の故郷であるギョクチェアダ島(注:ギリシャ名でイムヴロス島。ローザンヌ条約によりギリシャ領からトルコ領となった)や、もっと広い意味での我々の利益についてだ。宗教教育の権利についてヘイベリアダ島(の神学校)は閉鎖されたままだ。議員は来て、我々にローザンヌ条約に我々が反すると言っている。」
■ベキン議員は何と述べていたか?
ベキン議員はトラブゾン征服から562周年を記念してスメラ修道院で儀式を行いたいとするバルトロメオス総主教の要望に反対していた。
同議員はバルトロメオス総主教がいわゆる「全地の(超教的な、エキュメニカルな)」主教として活動することはローザンヌ条約の条項に「反する」と述べ、ローザンヌ条約に従いギリシャ正教総主教座の特権は廃止されていることに言及し、「高位聖職者」の要素のみが使用されうると法務省は記録していると伝えていた。
ベキン議員は「それにもかかわらず、まだ強行に『全地の』という形容詞を使おうとしていることは説明するまでもない。いわゆるギリシャ正教コンスタンティノープル総主教座のバルトロメオス総主教が、東方正教会がいう『同等のなかの最初のもの』と評することで『全地の総主教』として見なされ、コンスタンティノープル総主教座が『全地的な中心』として世界の正教会派の一宗教組織と見なされることはローザンヌ条約をはじめとするトルコ共和国諸法令に反する適用だ。」と述べていた。
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翻訳者:伊藤梓子
記事ID:56137