シリア:文化芸術フェスティバル「桑と絹のこだま」で数々の絹製品が展示される
2023年07月27日付 その他 - シリア国営通信 紙
■マシュター・ヒルー文化芸術フェスティバル「桑と絹のこだま」で数々の絹製品が展示される
【ベイルート:本紙】
マシュター市のダルバ広場で開催された第11回ダルバ・マシュター・ヒルー文化芸術フェスティバル「桑と絹のこだま」の初日に、天然絹製の数々の製品が展示された。
この際展示された作品のなかには、タルトゥース県ドライキーシュ市出身のアーティストであるサナー・サルマーンさんが蚕のまゆを使って制作した絵画が含まれた。蚕のまゆはタルトゥース県、具体的には同県内のドライキーシュ市やマシュター・ヒルー市の特産品である。
サルマーンさんの絵画は、蚕のまゆを用いてダマスカス・ジャスミン、ダマローズ、カモミールを象っていることにその特徴がある。バラはその形状に美しい芸術性を有していることはもちろん、黒いビロード生地の上にまゆの白色の装飾を施し、カモミールで少々の黄色を加えることでその美麗さが際立たされているのである。
一方ヒムス市出身のサーミー・ナダーフさんは、村や地域に特有の色彩や模様を採用した絹製の工芸品や、女性たちがあらゆる社交の場で着飾るための手編みショールを展示した。
さらにダルバ広場の会場では、蚕の飼育に関するライブショーが行われたほか、ムハンナド・クルスーム氏による監督・脚本のもとで公共映画機構が制作し、シリアにおける絹の行程を取り上げたドキュメンタリー映画が上映された。
この映画では、蚕の卵が孵化し、それがまゆになるまでの飼育の過程や、その後まゆから絹糸を紡ぎだす過程を取り扱ったものである。
さらにこの映画では、蚕の繁殖の方法やそれを飼育する具体的な方法のほか、この伝統的な作業に家族全員で取り組む姿も取り上げられた。
文化フォーラム理事会のフィラース・シャンマース会長は本紙特派員らの声明のなかで、 今回のフェスティバルが「桑と絹のこだま」と銘打たれている理由について、これまで住民らが蚕の主食となる桑の木を育てていたこの地域に根付いた、養蚕業や絹産業を無形遺産として復活させることを目指しているためであると述べた。
シャンマース氏が付言したところによると、この地域の住民らは1855年から蚕の飼育を行っており、そのまゆをマシュター・ヒルーに建設された絹工場へと販売してきたのだという。一方この工場は、まゆから絹糸を抽出して輸出販売することに取り組んできたという。
こうした蚕の飼育過程は、この真正の文化的行動に関連している村々に暮らすほとんどの家族によって実践されている活動である。さらに彼らにとって蚕の飼育は、40日にわたって続く蚕の飼育サイクルの完了を菓子の配布とともに祝うことで、ある種の集団的儀式としてのかたちを伴っているのである。
シリアの養蚕は、沿岸部の西武山脈遅滞や、そしてアースィー川に沿って広がる領域、サーフィーター市、スワイダー県など、白桑が生育している地域に広く分布している。
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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:56156