女子バレー、ヨーロッパチャンピオン!勝利の秘訣は育成システム

2023年09月05日付 Cumhuriyet 紙

バレー女子代表チームのネイションズリーグにおける優勝、そしてヨーロッパチャンピオン到達の裏側にはトルコバレーボール界の長年にわたる組織的取り組みが大きく貢献していた。

メフメト・アーキフ・ウストゥンダーをトップに置くトルコバレーボール協会(TVF)は、下部組織にも重点を置いた計画のもと、Aチームだけでなく、年少のカテゴリーにおいても大きな前進をもたらした。我が国において、バレーボールは教育とスポーツの双方を担うものの中でも筆頭に挙げられる。TVFはトルコの全土近くまで足を運び、専門のトレイナーの下で子供たちの能力に応じた選抜を行っている。発掘と選抜の後、その才能が認められた子供たちは、特別な試験を経たのち協会による「バレーボール専門高校」で寮生活をしながら学び、バレーボール選手としてのキャリアを形成してゆく。こうした育成計画はヨーロッパでは例がない。毎年、90人の生徒を迎えるTVFのスポーツ高校は、代表チームを支える下部組織のなかでも最も重要な位置を占めている。

■アスリート工場のように

TVFによる、「ファブリカ・バレーボール」計画は、このスポーツを草の根的に広めようとする信念の中で大切な役割を担っている。33以上の県で6-12歳の男女へとバレーボールを紹介する機会を設けている。国民教育省との取り決めのもとで多岐にわたる活動を行っている。協会は2部リーグでプレーするチームの中で、一定の年齢の範囲内で選手たちが経験を積む機会を提供している。自らの技量を証明した選手たちが、対価なしで他チームへの移籍ができるような機会を設けている。TVFはこのようにして、代表チーム選手候補のプールを常に広く保つことに成功している。コート上の成功の裏には、協会が、組織的な枠組みの中で実現したプロジェクトを効率よく利用していることが大きい。TVFの組織機構の中で17年間にわたり様々な職務を請け負ってきたメフメト・アーキフ・ウストゥンダー会長は、スポンサーの増加に成功した。ウストゥンダー氏は「バレーボールはこの国に歴史的偉業を見せている。まだ手に入れていない優勝杯が一つだけ残っている。それはオリンピックのものだ。」と述べた。

■エブラル・カラクルトから「時代錯誤者たちにスマッシュ!」

ここ最近、特定の人々がSNS上で標的にしているエブラル・カラクルト選手は、ヨーロッパチャンピオンシップの後、感動の涙を見せ、興奮とともに国歌を歌った際に、アタテュルクによる「母国を最も愛する者は、その責務を最も良く行う者である。」という文言をシェアした。この代表選手による次の投稿では「全員をこうして抱きしめます。一丸となって勝ちましょう、離れ離れではなく。」という発言が見られた。トーナメント中には、SNSでアブドゥルハミトというユーザーがエブラル選手へと「ムスリムであるトルコ国民として、我々はあなたに我慢している。」というメッセージを送った。(訳者注:エブラル選手は同性愛者であることが知られている。)これに対してエブラル選手は、「無駄なことはするな、アブドゥルハミト」と返答した。その後、この返信が記載された小さなプラカードを持ってポーズを決めている。

■トルコ国営放送(TRT)による検閲

決勝の配信元のTRTに対しスポーツファンは反感を示した。選手たちが優勝後の生放送でエリク・ダルという曲に乗せて踊って見せた際にその映像を放送しなかったTRTは、他にも歌手のタルカン氏がバレーボール選手たちへと制作した楽曲や有名歌手である同氏のコート上での姿も映さなかった。イルキン・アイドゥン選手は、インタビューのためTRTのアナウンサーが本人を呼んだ際に、「私、政治的なこと言うけど。」という発言した映像はSNS上で記録的なシェア数を見せた。イルキン選手のインタビューは「自由に生まれて、自由に生きてく。」という発言で締められた。

■100周年の誇り

女子バレーボールA代表のダニエレ・サンタレッリ監督
「トルコのバレーボールがどれほど高水準にあるかは理解しています。初日にチームへと、『これはあなた方の人生の夏となるだろう』と伝えました。初めて来た日からトルコの人々をどれだけ近くに感じているかを話していました。」

キャプテンのエダ・エルデム選手
「共和国の100周年目に素晴らしいシーズンを過ごすことができ、2つの優勝杯とともに帰国しました。建国100年目にこうしたことを経験することは何事にも代えがたいものです。歴史を作ったチームの一員であることに幸せを感じています。国が私たちの後ろで一丸となっているのを見ることは、信じられないほどの力を与えてくれます。」

ゼフラ・ギュネシュ選手
「このチームの一員であることに誇りを感じています。決勝戦は14-15人ではなく8500万人で戦いました。共和国100周年にこの優勝杯を捧げます。」

ジャンス・オズバイ選手
「共和国100周年目にトルコの女性として国旗を掲げられたことに誇りを感じています。表に立っているのは私たちですが、これは長年にわたって培われたシステムによって実現したものです。これはまだ始まりです、共に、より美しい優勝杯を手にしましょう。」

エリフ・シャヒン選手
「とても幸せです、とても頑張りました。そうした努力が有り余る成果で報われました。このチームに誇りを感じています。トルコ人は先に、トルコ人よ進め。」


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:村田七海
記事ID:56260