シオニスト政権によるアルモーメダーニー病院の患者らに対する犯罪は、本日、ヨルダン国王アブドゥッラー2世、ジョー・バイデン米国大統領、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース議長、エジプトのアブドゥル・ファッターフ・スィースィー(シシ)大統領による4者会談がヨルダンで開催される予定だった中で行われた。しかしヨルダンはこの会談を中止することを決定した。なぜならシオニストらの犯罪が、シオニスト政権の今回の措置に対する大きな憎悪の波を世界全体とアラブ世界に引き起こしたからである。
シオニスト政権の高官らは当初、虚偽の発言によってこの攻撃の責任の重みから逃れ、その矛先をハマース側に向けようとした。しかし、ここ数日間イスラエルによって使用されてきた爆弾や軍事装備品がアメリカ製であること、すなわち、武器兵器類がアメリカ製であることに加え、それらの購入もアメリカの援助によるものであって、その一部はシオニスト政権軍に無償で提供されているという事実は明らかなのである。
現在、ガザを管理しているのはアメリカである。そのため、ヨルダン会談の開催と、アルモーメダーニー病院の無実の人1000人の殺害の直接的な責任者であるジョー・バイデンとアラブ首脳の会談の開催は、アラブ諸国にとって深刻な結果をもたらしていた可能性がある。この会談の中止をこれらの国のアプローチの望ましい変化という意味で評価することはできないが、一方で、時宜に適った措置とみなすことができる。なぜなら、もし会談が開催されていたら、シオニスト政権とアメリカに対し自国の犯罪を正当化する機会を与えることになっていたためだ。したがって、この会合の中止はアラブ首脳らができる最低限の事柄であった。
もう一つのポイントは、こうした動向に対する地域諸国のアプローチと対応の仕方である。最高指導者は最近の演説の中で、地域の抵抗組織自体が状況を考慮した上で対応の方法を決定すると述べられた。この枠組みの中で、イラン・イスラーム共和国は常にパレスチナ闘争グループと抵抗戦線の精神的な支援者であり続けているが、たとえこうした流れが戦争になることを抑止しようとしても、それは不可能である。これらのグループ・組織自身が現状と最近の犯罪に関して行動を起こすのか否か決定する必要がある。したがって、抵抗戦線の組織やグループがイランから直接指示を受けていると暗に示そうとする欧米諸国の試みは失敗している。
しかし全地域諸国の外交的支援能力を活性化し、最近の犯罪に対し中東地域や世界の世論を意識化させるイラン・イスラーム共和国の広範な取り組みは、様々な局面で進んでおり、パレスチナ闘争グループに対する精神的な支援のための適切な力となりうるのである。
執筆者:フォアード・イーザディー
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翻訳者:MN
記事ID:56619