エジプト:ガザ紛争に対するエジプトの立場(1)

2023年11月04日付 Al-Ahram 紙

■ガザ地区での危機に対するエジプトの立場の一貫性…エジプトは自身の望みを推し進め、人道の側に立つ

【サマル・ナスル】

イスラエルは攻撃を直ちに止めるべきであること、人道支援を届けるのが最優先事項であること、退避させるのではなく占領を終わらせること、パレスチナ独立国家の建設こそが解決策であること。これらは、エジプト外務省が今日エジプトの公式の立場と題して策定した4つの軸であり、どのようにアラブ・イスラエル紛争全般の、特にガザ地区でエスカレートする危機の解決に至るかに関する立場である。そしてこの4つの軸はおそらく、ガザ地区での軍事的エスカレーションが始まって以来のエジプトの危機管理努力の結晶であろう。

≪エジプトのラファ検問所閉鎖に関する誤った報道の真実≫

ガザ地区での出来事が激化した当初から、エジプト側がラファ検問所を封鎖したという報道が繰り返されてきたが、それはエジプトの高官らが否定してきたことである。ラファ検問所は過去数年間を通して、留学であれ療養であれ家族訪問であれ用事のある第三国への通り道としてであれ、エジプトにやって来る理由を持つパレスチナ人にエジプト側からは常に開かれていた。それにもかかわらずここ数日は、ガザ地区での軍事的エスカレーションとともにイスラエル側がパレスチナ側の国境での3度も爆撃を行ったことにより、通行が止まっていた。

エジプトは当初から、二重国籍者であろうと単一国籍者であろうと外国人住民が他国に行くためにエジプトに入国することへの用意があると表明していた。そして、無制限・無条件に外国人住民が(ガザの外に)出たり援助が入ったりすることをその条件としていたにもかかわらず、イスラエル側は合意を反故にし、40以上の国籍の群衆が集まった際に援助やトラックを止め、二重国籍や外国人を怖がらせるために、イスラエルは道路やパレスチナ側のラファ地区を爆撃したのだ。


≪ラファ検問所とエジプトの条件≫

イスラエルは、ガザ地区の住人への締め付けや封鎖を続ける中、ガザ地区への攻撃を残忍にも激化させている。そのことを前に、エジプトは当初からたとえ間接的だとしてもこれらの攻撃への関与を拒否している。よって、エジプト当局は、封鎖されているガザ地区への人道支援の搬入が許可された後でないと、外国籍保持者がガザ地区から(検問所を通過して)エジプトに来るのを許可できないとした。また、エジプトは、ガザ地区への人道支援・医療支援の搬入のための安全回廊を開設した後でないと、二重国籍や外国人の避難を前提とした検問所の開放はできないという立場を堅持した。こういったことこそが、決定から数日を経てエジプトが実現に成功した困難な方程式である。

(2)に続く


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翻訳者:松本大介
記事ID:56659