リチャード・フォーク元国連人権理事会特別報告者「大量虐殺の責任は国連安保理に」本紙インタビュー(2)
2023年11月02日付 Jam-e Jam 紙
―(続き)―
◆今まで度々、国連の構造は世界各国のために改革されるべきであり、特定の勢力のロビー活動から生み出された現在の構造から脱却すべきだと指摘されてきました。しかしながら、その決意は見られず、現在、パレスチナ危機においてこの問題がはっきりと現れています。
― その通りです。これはまさに、我々が長年にわたって目にし続けている、苦い真実なのです。国際機関の構造や、アメリカやその同盟国がほしいままに操ってきた権力は、現在の世界に見られる数多くの危機に原則的、法的、かつ実践的に対応することを許しません。イエメンでの戦争もまた、この原則の例外ではありません。私が指摘した通り、パレスチナにおける犯罪や、ガザにおける大量虐殺、そしてこれらの犯罪の悲惨さ、これら三つについて今日誰もが語っています。そして国連の報告書においてさえも、この問題に対して言及されています。しかしながら、この状況においていかなる実践的な措置も行われていません。私が指摘した通り、ここで問題となっているのは、アメリカとその同盟国の利益なのです。彼ら(アメリカとその同盟国)は国連に対し、現在世界で起きている事柄に関して自らが描いたシナリオや記述を受け入れることを強制しています。たとえ、それらの事柄が偽りであったとしてもです。ガザでのイスラエルによる大量虐殺においても、こうしたことが明らかです。国際社会はガザにおけるアメリカのシナリオを受入れてはいませんが、国連はガザにおけるイスラエルの犯罪に対して、実践的で阻止するような措置をとる権限を持っていないのです。
◆国連安全保障理事会の欧米三か国、つまりアメリカ、イギリス、フランスは、ガザ地区における停戦協定締結に向けたあらゆる取り組みを拒否しています。その代わりに、エルサレムを占領している政権[イスラエル]の病院や学校、家屋を空爆するというあらゆる行動を、合法的な防衛の範囲内であるとみなしています。こうした対応をどのように評価しますか?
― 残念ながら、そうなってしまっています。国連とその他の国際機関の崇高な使命と目標は、米国とその同盟国であるヨーロッパ諸国の地政学的パワーゲームの影響下に置かれていると言わざるを得ません。国連安保理は、一方でヨルダン川西岸地区におけるシオニストらの支配の土壌を築き、何年にもわたりこの地区で行われてきたシオニストらのあらゆる犯罪と殺戮について、沈黙を続けてきています。ガザ地区における食料と燃料の封鎖でさえも、アメリカの許可のもと行われています。対ハマスを口実にした兵器システムの配備もまた、パレスチナ人の大量虐殺を促すために、国連安保理の支持を得て行われています。現在もまた、ガザにおける人道危機の深刻化とともに我々が目の当たりにしているのは、アメリカ、フランス、イギリス政府がガザでの停戦を妨げ、それによりテルアビブ[イスラエル政府]が以前から有していた能力と手段を用いて、ガザにおける権限を自分たちに都合のいいように変えられるようにしている状況です。しかしながら、こうした考えは間違っています。ガザ空爆やシオニストらが犯している犯罪においてアメリカやフランスといった国々の役割を見逃すことはできません。パレスチナ人の大量虐殺は、イスラエルに対する欧米政府の寛容さと協力の産物なのです。
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翻訳者:TS
記事ID:56732