「今後の仲介者はトルコ」―エルドアン・ハニーヤ会見を世界はこう見る
2024年04月21日付 Hurriyet 紙
トルコのエルドアン大統領が、ハマスの指導者イスマイル・ハニーヤ氏と接触をもった。各国メディアは、この接触がいかなる結果を引き起こすかについて記事を書いている。
ハマス指導者イスマイル・ハニーヤ氏のトルコ訪問をイスタンブルでレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領が出迎え、会談をおこなった。この会談に各国報道機関が密着取材をおこなった。AFP通信社は、イスタンブルでの会談は中東の緊張が高まるなかで開催されたものだと報じた。エルドアン大統領とハニーヤ氏の会談は2023年7月以来で、6か月前に(パレスチナで)紛争が始まって以来初である。各国マスコミは、非常に印象的な表現を用いながら両者会談を大きく報じた。イスラエルメディアの一つハアレツは、ハニーヤ氏とエルドアン大統領の両者が、ガザの恒久的な停戦に必要な措置を議論したと報じた。
また、エルサレム・ポストは、「トルコはハマスを国家として受け入れた」という見出しで、今回の状況が「政治的象徴」だと報じ、次のように書いている。
「エルドアン大統領は、10月7日にイスラエルで発生した襲撃以降、同地で高まるハマスの影響力と権力を反映するであろう、非常に象徴的で重要度の高い会合にハマス指導者を招いた」
同紙は両国関係にも言及し、アンカラ政府とテルアビブ政府間のやりとりはマヴィ・マルマラ事件とガザ紛争により断絶したと述べている。
■仏メディア:カタールを排除する可能性
仏メディアの一つであるFrance 24は、トルコのこのような動きはカタールを排除したいのではないかと書き、次のように続けた。
「トルコが、終わらない紛争の調停者としての地位を確立し、場合によってカタールの役目を引き取ろうと目論んでいる可能性は十分ありそうだ」
さらにガーディアン紙のニュースは、イラン-イスラエル間の紛争とガザ問題へのアンカラ政府の影響力が強まっていると書いた。他方、ユーロニュースは、トルコがここ数日、ハマスならびにエジプトとの接触を増やしていると述べた。
ギリシャメディアのプロト・テーマ紙は、「ドルマバフチェ宮殿で開催された会合にはハマスの有力人物の一人で人質交渉のキーパーソンでもあるハリド・メシャール氏も出席していた」と報じた。
もうひとつのギリシャ紙カティメリニは、「トルコのタイイプ・エルドアン大統領はハマスの指導者イスマイル・ハニーヤ氏をイスタンブルで歓迎し、同氏とガザの停戦確立と人道支援の取り組みについて会談をおこなった」と報じた。
■目標はパレスチナ独立
イスタンブルでのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とハマス政治指導者イスマイル・ハニーヤ氏との会談は、中東におけるイランとイスラエルの緊張の高まりや、これによりガザ地区の停戦努力が後回しにされた時期と重なるという点で重要である。
停戦となる場合、問題の恒久的な解決に向けて俎上に上げられる提案のひとつは、パレスチナ独立国家の樹立だろう。この独立国家は、二国家間解決の範囲で(合意されるべきで)、1967年の国境線に基づき、東エルサレムを首都とするものとなるだろう。
ここでトルコは、(パレスチナ独立国家樹立)達成のための最重要ステップの一つは、長年続くハマスとファタハの組織間不合意に終止符を打つことと、両者が一時的な合意政府を樹立して国際社会の前に姿を現すことだと考えている。
こうした展開は国際的なプラットフォームにおけるイスラエルの立場を弱めるだろうとの評価もある。エルドアン大統領はこの問題に関して、両者と深い交渉を行った指導者の一人として際立っている。
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翻訳者:原田星来
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