イスラエルとの対立に威信高まる:ハサン・ハーニーザーデ氏が本紙電子版に特別寄稿

2024年04月15日付 Jam-e Jam 紙

 中東地域は新たな段階に突入した。イスラエル政権は孤立し、中東地域の国家はイスラエルとの対立に向け新たな威信を獲得した。

[執筆者:ハサン・ハーニーザーデ|アラブ世界専門家]

 「誠実な約束」作戦は、イラン・イスラーム共和国の地域的・国際的威信を回復させた、中東地域および世界における歴史的な作戦と評価されるべきである。イスラエルは約6か月間にもわたって、ガザ、レバノン、シリアをはじめとする中東地域諸国に対し多くの侵略を行っており、3万3000名以上の女性と子供を殺害し、7万6000名以上のガザ住民が負傷していることを忘れてはならない。

 一方で、直近のイスラエルによる挑戦的行動は在ダマスカス イラン大使館領事部への攻撃であり、結果として我が国の顧問が殉教[殉職]することとなった。この行動は、中東地域および社会に対する脅威となった。このことから、イラン・イスラーム共和国は、国際機関でこの問題を提起するために全力を投じた。これに対し、安保理はイランの要請に応じて会合を開いた。しかしながら、アメリカやイギリス、フランスといった国々の[イスラエル]擁護により、イラン大使館領事部への攻撃を非難する声明がイスラエルに対して発出されることはなかったのである。

 このため、イラン・イスラーム共和国はイスラエルへの懲罰を計画し、最も複雑な複合作戦のひとつとも評価される「誠実な約束」作戦の遂行をもって、中東地域や世界からの威信を回復することができた。当然、イラン・イスラーム共和国は持ちうる全軍事力やミサイルをこの作戦に投入したわけではなく、単にイスラエルに重大な警告を発したまでであることを指摘しておかなければならない。

 これを踏まえ、イスラエルもこの攻撃がもたらす結果の分析を重ねることで、彼らがさらに挑戦的行動に着手すれば、イランはさらなる激しさをもってイスラエルを標的にするであろうことに気付いている。

 一方、最近、国連安保理は会議を招集した。しかし、意見をまとめることができなかったばかりか、アメリカ、イギリス、フランスの目的は反イラン決議を出すことだったのである。しかながらし、ロシア、中国を筆頭に多くの国が反対の立場をとったことで、アメリカの計画は失敗に終わった。

 こうした問題を鑑みると、中東地域は新たな段階に突入し、イスラエルは孤立して、中東地域の国々はイスラエルとの対立のために新たな威信を手に入れたようだ、と言えよう。



 もう一点注意を払うべきことがある。それは、この作戦におけるイラン・イスラーム共和国の目的は人を傷つけることではなく、イスラエルの戦争機能を麻痺させることだった、ということである。そのため同作戦の実行は、気高い国々の称賛を呼んだ。実際、イラン・イスラーム共和国は事前に決定した標的を正確に攻撃した。このことは、イラン・イスラーム共和国が高い抑止的能力を持つ一方で、軍事作戦においては人的側面にも注意を払うことを示すものだったのである。


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翻訳者:DM
記事ID:57744