イラク:パイプラインの復旧で、トルコ向け原油輸出再開なるか(2)

2024年04月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

■かつての石油パイプラインを復活させようとするイラク政府の努力がクルディスタンの希望を砕く(続き)

クルド人で経済専門家のムハンマド・フサイン氏は、本紙に対して次のように語った。「エルドアン大統領がバグダードとクルディスタンを訪問した後、トルコのジェイハン港を通じたイラクの原油輸出再開に関して、トルコ側には問題はないことが明確になった。これはトルコが数か月前にすでに発表していたことでもある。しかし、問題はイラクの連邦政府とクルディスタン地域政府との間で、とりわけ同地域で操業している外国の石油採掘・輸出企業からの要求に関して存在している。企業側は、企業と地域政府の間で結ばれた協定の結果生じている数十億ドルにのぼる地域政府の債務を返済するよう、連邦政府に対して求めているが、連邦政府側はその責任を否定している」。

フサイン氏はまた、エルドアン大統領のイラク訪問がトルコを経由したイラクの原油輸出再開の問題を進展させるものでなかったのは、連邦政府と地域政府の対立の複雑さに原因があると強調したうえで、トルコ側が要求している複数の条件にもふれた。その最たるものは、トルコが購入する石油の価格を国際価格から1バレルあたり約13ドル低く引き下げることを認めることで、そのほか、この問題に関して国際仲裁裁判所が認めたトルコに対する補償要求を取り下げるよう、イラク政府に求めていることがある。連邦政府が、モースルからトルコ領内に伸びる旧戦略パイプラインの操業を再開させる可能性について、フサイン氏は、連邦政府と地域政府の対立が複雑なため、クルディスタンルートから離れたところで、かつトルコを経由したイラクの原油輸出の継続を保証する代替ルートを探す目的で、このことが実現する可能性を指摘した。同氏はその際、連邦政府には、2014年にISによる破壊の被害を受けた戦略パイプラインを修復する能力があること、そして数か月内にも稼働再開の可能性があることを強調した。

(後略)

(1)に戻る


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:下宮杏奈
記事ID:57838