EU4か国、さらにパレスチナ国家承認へ―さあ、残りの国はどうするか?

2024年05月10日付 Hurriyet 紙
スペインを筆頭に多くのEU諸国がパレスチナを正式に承認する準備を進めている。国際的なニュースとして真っ先に取り上げられたこのニュースを受けて、イスラエルメディアは、イスラエル政府が国際キャンペーンの準備をしていると報じた。EU諸国の直近の動きの後、パレスチナには何が待っているのだろうか?

アイルランドの公式メディア、RTEは、アイルランド、スペインを含む一部EU諸国が5月21日、パレスチナ国家の承認へ準備を進めていると報じた。

アイルランドラジオ・テレビ網は、「パレスチナ国家を共同承認する目的で、ダブリンとマドリード、そしてスロヴェニアとマルタ間の接触が活発になっている。」と報じた。

◾️アイルランド、報道を認める

アイルランドのミホル・マーティン外務・防衛大臣の報道官は、会談が続いていると認めた。

スペイン主導のパレスチナ国家承認へ、アイルランド、スロヴェニア、マルタ、ノルウェーが賛同していることが分かっている。さて、この動きによって何が変わるのだろうか?

「過去数週間、スペインがこの方向で進めている措置を分析する元駐トルコ・イスラエル大使のアロン・リエル氏は、彼が発表した論説の中で『スペインが現段階でパレスチナ国家を承認することは、欧州や国連が全体的に承認する道をつくる勢いを加速させる可能性がある。』と述べ、パレスチナがEU諸国によって承認される流れができる影響度合いに注意を促した。

◾️「国際的な世論の支援はパレスチナの最大の収穫」

問題の根本にはガザで起こっている「民族抹殺」があると述べたトルコ・ドイツ大学移住適応研究センター長のエネス・バイラクル准教授は、本紙へのコメントの中で次のように述べた。「この7か月間、ガザで起こったことは、パレスチナで70年間、起こっていた実態をはっきりと世界に示した。このため、国際的な世論の圧倒的多数はパレスチナ支援を示すことになった。」

同氏はパレスチナの最大の成果はこの世論を味方につけることであったと述べ、「パレスチナ側から見れば、すでに非常に深刻な人的犠牲を払っており、現在も払い続けている。しかし、結果的に最も重要な収穫はこの世論の支持である。」と述べた。

◾️他の国々はEU4か国に続くのか?

「他のEU諸国から多くの動きは予想していない。」と述べたバイラクル准教授は、「ここで、米国の立ち位置が重要である。米国は残念ながら、この問題に関して完全にイスラエル支援を貫いている。」と述べた。

パレスチナ国家は、現在EU8か国から承認されている。(ブルガリア、ポーランド、チェコ、ルーマニア、スロヴァキア、ハンガリー、キプロス共和国、スウェーデン)

同准教授は多くのEU諸国がこの問題に関して米国を支持していることに注意を促し、「もちろんこの件で、スペインやアイルランドのような例外はある。だから、現段階で大きな動きは期待すべきではない。」と述べた。

バイラクル准教授は、パレスチナがEU4か国に承認されたことはラテンアメリカ、アフリカ、その他の地域で影響を与える可能性があると述べ、「パレスチナの承認の点で、国際社会の場では、より広範な認知を得た。」と述べた。

同准教授は、パレスチナがより多くの国から承認されることは、パレスチナが国際社会でその力を強めることになると強調した。

欧州連合外務・安全保障政策上級代表、ジョセップ・ボレル氏は、以前にも一部のEU諸国が正式にパレスチナ国家を承認するのを期待している、と話していた。

◾️ドイツとフランスはどのような立場をとるのか?

バイラクル准教授は「ドイツでイスラエル問題はタブーである。」と述べ、ドイツ政府がこの問題に関して立場を変えるつもりはないと述べた。同氏は、フランスの動きも、国際情勢によって決まると主張し、以下のように分析した。

「マクロン政権は空気を読み、国際的な世論、他の国々の立場に応じて、流れに乗る可能性がある。そのような流れを汲めば、ここから公式の外交での成果を得るためにこの承認を進める可能性はある。そこでも彼はまたもや、あたかも公平性を保っているかのように進めるだろう。絶対にフランス、特にマクロン大統領に、親パレスチナの姿勢を期待すべきではない。」

◾️イスラエルの動きは?

バイラクル氏は、イスラエルが戦争勃発時から、深刻な情報操作を行ってきたと主張し、イスラエル政府がこの姿勢を続けていく可能性があり、このプロセスにおいてもパレスチナを承認、または承認の準備を進めている国々へ、ロビーを使って外交的・経済的な圧力をかけようとする可能性があると話した。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:57880