トルコ、ギリシャを支援「パルテノン神殿の彫像、売却の事実なし」

2024年06月07日付 Medyescope 紙

パルテノン神殿の彫像に関して、トルコはギリシャを支援した。トルコは、エルギン伯爵がパルテノン神殿の彫像をアテネのアクロポリスから出すことを許可する証拠はどこにもないと述べた。

文化観光省密輸対策課長のゼイネプ・ボズ氏は、国連教育科学文化機関(UNESCO)文化財原産国への返還に関する第24回会合で発言し、パルテノン神殿の彫像に関してギリシャを支援した。ボズ課長は、エルギン伯爵がパルテノン神殿の彫像をアテネのアクロポリスから出すことを許可する証拠はどこにもないと述べた。

ボズ課長は、ギリシャが提供した証拠に感謝し、「トルコの密輸対策課長として、当時植民地主義の英国が行ったこの購入を正当化する文書は何も知らない」と述べた。

「パルテノン神殿の彫像の返還を祝うことを心から待ち望んでいる」と話したボズ課長は、この発言の中でギリシャが40年間以上にわたってパルテノン神殿の彫像に関して行ってきた交渉を支援した。

◾️ボズ氏のギリシャメディアへの言葉

ボズ課長は、UNESCO総会後、世界中の通信社に対して声明を発表した。AP通信に話したボズ課長は、「オスマン帝国時代に合法的に販売されたすべての製品の記録はトルコに保管されている。」と述べた。トルコの歴史家たちがすべてのアーカイブスを調査したと述べた同課長は、オスマン帝国でこの彫像の販売を許可した「文書」はどこにもないと強調した。

ボズ課長は、さらにギリシャの国営放送ERTにも出演し、見つかった文書はイタリア語で書かれたものだけであったと話した。ただこの文書にも、君主や責任者の署名がなかったと伝えた。

国営放送ERTで、続けてボズ課長は、UNESCO総会で発言する必要性を感じ、このように発言したと述べた。

◾️ボズ氏の発言、ギリシャではプラスの反応

ギリシャ文化省、考古学・文化遺産総局長エレナ・コルカ氏は、「発言者はトルコの関係機関の責任者で、文書はどこにもないと話している。これは非常に重要な発言だ。」と話した。

コルカ局長は「勅令」について博士論文を書き、およそ10年間イギリスとイスタンブルのアーカイブスを調べている。同局長は、見つけた資料に関して以下のように話した。

「2つの文書を見つけた。一つはオスマン語で書かれている。それも特に陶磁器の移送に関してである。しかし、エルギン伯爵がパルテノン神殿の彫像を運び、イギリスに移送するための許可は何も見つけられなかった。なぜならこのような許可はないからだ。」

ギリシャは40年前にパルテノン神殿の彫像に関して取り組みを始め、現在までかなり多くの支援を得た。直近の支援の一つがトルコの発表となった。コルカ局長は、「トルコが現れ、ギリシャの闘いを正当化した。トルコは、勅令はなかったと発表した。」と述べた。

◾️パルテノン神殿の彫像に何があったか?

エルギン伯爵の命令により働いた作業班は、1801年に鋸やその他の機械を使ってパルテノン神殿の彫刻をその場から剥がそうとし始めた。この作業は10年以上かかった。エルギン伯爵のこの決定は、当時議論を巻き起こし、バイロン伯爵はこれを詩で非難している。

大英博物館は、1816年に破産したスコットランド外交官[エルギン伯爵]からこれらの彫像を購入した。大英博物館は彫像を合法的に入手したと主張している。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:58055