専門家はこう見る!大学入試共通テスト

2024年06月09日付 Yeni Safak 紙
受験生300万人の運命を決める基礎能力試験の第一試験が昨日実施された。ビルフェン高校、各ウール学校、バフチェシェヒル専門学校の専門家や教育者のジハン・イェシルユルト氏が試験の出題を評価した。

■サプライズはなかった

基礎能力試験のトルコ語の出題において文章題、文法、意味を問う設問の割合は前年と同じだった。設問のうち33問は意味が問われ、7問は文法知識が問われた。言語運用能力や分析力に関する設問も出題された。文章問題は実践的かつ科学的な文章が出題された。非常に選びにくい選択問題を含む意味問題と文章問題が試験の決め手となった。読解力と質問力があれば解ける試験だった。

■数学 選択問題ほぼなし

数学の試験問題は昨今の設問と比較して易しく、基礎知識が問われる試験だった。一方、幾何学の試験は勉強している学生ならできる中級レベルの問題で構成されていた。幾何学では新しい世代の設問として、幾何学を日常生活に組み込ませた形の出題がみられた。数学の出題は国民教育省カリキュラムに沿ったもので、出題範囲も前年の試験と同様だった。なお選択問題はほとんどなかった。

■歴史 中程度の難易度

知識に重点をおいた歴史の出題は受験生を悩ませた。歴史的概念、時代知識、基本情報の解釈、年代学の知識に関する出題がなされた。カリキュラム外の出題はなかった。試験は中程度に難しく、全体的によく仕上げられていた。

■哲学 文章題が難化

哲学は、1問が高難易度、3問は低難易度、1問が中程度の難易度だった。出題は全体的に文章の理解、解釈、結論の導出を意図されていた。1問は知識を問う出題で、文章題は難易度が高かった。

■宗教文化 知識と記述を求める出題

宗教文化と道徳知識の試験では、知識を問う出題が1問、記述問題が3問、知識に基づく記述問題が1問出題された。5題はとくに易しく、中程度の難易度だった。試験では、文章から一般的な判断を下す力、結論に至る力、推論力、そして概念を使用する力を測ることが意図されていた。

■地理 明確な設問

地理は9年生と10年生で得られる知識に基づいて出題がなされた。設問は明確で理解しやすかったものの、一部は難易度が高かった。基本的な知識があり、地図・グラフの読解力に長けた受験生であれば解ける試験だった。

■物理 特徴的な設問

全設問が学習成果を反映するものだった。過去問と似た出題もあり、日常生活の経験から解答を導くことができる設問もあった。問題文が長めに設定されていたことから、慎重な受験生が抜きんでることのできる試験だった。問題をたくさんこなした学生というよりは、学んだ内容をもとに丁寧に設問に取り組んだ学生が得点できるスタイルの出題だった。

■化学 超難度

化学の試験は知識ベースで、理解しやすい中難易度の出題だった。9年生のカリキュラムから4問、10年生のカリキュラムから3問出題された。計算を求められる出題が2問。図形問題は出題されなかった。化学の出題は注意深い学生なら対応できるレベルだった。

■遅刻で警察に助け求める

人生を決める重要な試験を前に、試験会場前では例年と同様の光景がみられた。ぎりぎりに会場に到着した受験生もいた。マラソン走者のごとく全力疾走する者もいれば、警察に連れてきてもらう者も。あるいは行くべき学校を混同したり、数秒差で試験を逃してしまった者もいた。さらに、試験中、メルシン県のトルコ商工会議所・商品取引所連合(TOBB)アナトリア工業高校で原因不明の停電が発生した。

■候補者は試験会場内で、保護者は外で汗流す

受験生が試験に取り組む間、保護者らは30度近い暑さの中、汗だくで子どもたちを待った。

■試験を終えて:記述式を想定していたのに知識を求められる出題

何百万人もの受験生の将来を決める大学入試の第一段階となる基礎能力テスト(TYT)が昨日実施された。TYTには312万878人が出願し、受験生は目指す大学へ入学できるよう汗を流した。Hürriyet紙教育サービス部の記者がイスタンブル大学、イェシルキョイ・アナトリア高校、カドゥキョイ・アナトリア高校で実施された試験に出向いた。試験を言えた受験者の第一声として、TYTは例年に比べて「知識」を問う出題が多かったという感想が全体的に聞かれた。

セナ・バイラクタルさん:私は文系なので理系科目に苦労した。トルコ語の試験ではパラグラフが多く、読解に重点が置かれていた。

ギュネシュ・ジルジさん:トルコ語試験は選択式の設問に迷った。歴史と地理も知識を問う出題があり難しかった。80~90点程度とれると思う。

エレン・クサさん: 数学は私にとって難しかったが幾何学は易しかった。過去問ならかなり簡単に解けた。

エリフ・オズサラチさん:出題は例年に比べれば易しかったと思う。科目ごとではトルコ語と数学は簡単だった。歴史と物理は難しかった。歴史はホワラズミアン帝国に関する設問があった。第二試験のような知識ベースの出題だったので驚いた。

メリサ・ポイラズさん: 試験はうまくいったが隣の男子が消しゴムすら使わないので少し焦った。理系の私にとっても科学分野の試験はとても難化していた。社会系も科学系も難しく、用語に関する設問は易しかった。出題傾向の想定に反して知識を問う設問が多かった。歴史の試験は完全に知識ベースだった。

レイラ・ユルマズさん:試験はとても難しく、特に数学の設問は予想していたより難しかった。トルコ語の設問はパラグラフが長かった。選択肢はまぎらわしかった。

■多かった感想 オッペンハイマーが逆転コーナーを決めた

試験終了後、受験生らはSNS上で試験で出題された設問について投稿をはじめた。なかでも哲学の試験で、昨年公開された映画『オッペンハイマー』に関して出題されたというユーザーの「アルペル・ゲゼラフチュ(トルコ初の宇宙飛行士)に関する問題が出るだろうと思っていたのにオッペンハイマーが出てきた」というコメントがSNSで最も話題になっていた。

■「太陽の薔薇」も話題に

受験生の間で最も話題になっていたのは「太陽の薔薇」と名づけられた植物についての文章を含むトルコ語の文章問題だった。エンジニアらが太陽の薔薇を使ってロボットハンドを作るというこの設問について、SNSに次のようなコメントが寄せられた。

- 太陽の薔薇の設問を10回は読んだ

- 枝をちょん切ってやろうか

- 太陽の薔薇、なんてやっかいな存在なんだ

- 100回読んで頭が割れた


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翻訳者:原田星来
記事ID:58066