イラン国立図書館の物議を醸している規則に関する新たな詳細|障がい者の抗議の声も高まる 本紙調査

2024年06月12日付 Hamshahri 紙

 ここ数日、イラン国立図書館の新しい規則がSNS上で多くの論争を引き起こしている。修士課程の学生から障がい者コミュニティに至るまで、誰もが何らかの形でこの規則を批判している。

【ハムシャフリー電子版】(レイラー・シャリーフ記者)現行の規則は1403年ファルヴァルディーン月(西暦2024年3-4月)に承認されたものだが、ここ数日でその議論が白熱しており、図書館利用者は入館禁止のショックに直面した。

 「新たな規則における利用資格条件によると、障がいのある人はこの図書館の利用者登録をしてサービスを享受することができない。」障がい者の要望に関するウェブページのひとつはこのように記し、障がい者コミュニティに対するこの新たな制限を明らかにした。

 以前の規則の条項のひとつには、「身体障がいおよび肢体不自由者、全盲・弱視者、聴覚障がい者」は国立図書館の利用者登録ができると記載されていた。しかし、以前の規則と新たな規則を比較すると、現在これらの人々にはサービスが提供されておらず、その名称は利用者リストから削除されていることがわかる。

 1382年(西暦2003-2004年)に全盲・弱視者のための図書館がこれらの人々の文化的ニーズを満たすことを目的に国立図書館内に設立され、音声・点字書籍が利用できるようになった状況のもとで、この出来事は起こった。


◆修士課程の学生の利用者登録は条件付きに

 国立図書館の新たな規則に関する別の問題は、修士課程の学生に対する新しい制限に関連している。以前はこの課程の学生は国立図書館のサービスを利用することができたが、新たな規則では修士課程の学生の国立図書館の利用にとある条件が付けられている。

 新たな条件によれば、修士論文の題目が承認された修士課程の学生のみが国立図書館のサービスを利用することができるが、実際には修士課程の最終学期の学生は今後利用者登録が可能になる。

 国立図書館は上記の制限に加えて、他のいくつかのグループの除外も始めている。例として、新たな規則において一般利用者に関する部分では、「傷痍軍人・献身者(戦争等でイランのイスラーム共和制や独立を守るために身体や精神を犠牲にした人々を指す)および殉教者や上記の人々の一親等の親族」という条項が「学士号を取得している(法律で認められた)献身者」に変更されており、政府年金受給者の名にも言及されていない。

 国立図書館館長およびこの施設の広報部は過去3日間、これに関して何の回答もしていない。本紙記者の電話取材でも、この件に関しては回答を差し控えたいと述べている。


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翻訳者:SR
記事ID:58238