トルコ・シリア関係正常化に動くのか?

2024年07月02日付 Cumhuriyet 紙
外交筋から入手した情報によると、ハカン・フィダン外相がシリア側閣僚と近々計画した会談はない。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とシリアのバッシャール・アル=アサド大統領がアンカラ-ダマスカス間で新時代のサインを送ったことに次いで、アスタナでのエルドアン・プーチン会談後、トルコとシリアの間の交流が実現すると予想されている。

シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、過日、ロシア当局と行った会談の後、正常化のためアンカラへの扉を開いたままとしたのち、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、「関係は再び構築できる。」とメッセージを送った。エルドアン大統領は、「私たちがこれまでシリアとの関係を度々活発にしてきたのと同じように、家族のような会談のようになるまで、ご存知の通り、私たちはアサド氏とこうした会談を過去行ってきましたが、[会談は]近々にはない、ということは絶対にあり得ない、再びあり得る。シリア内政に干渉するような懸念は決してない。」と言った。

◾️「私たちはシリア危機解決のために重要な役割を果たした」

フィダン外相は、BRICS会談のために6月10〜12日にロシアを訪問し、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏とロシア連邦安全保障会議セルケイ・ショイグ事務総長と会談した。プーチン大統領は、エルドアン大統領と7月3〜4日にアスタナで会うことになるとのサインを送り、「私たちはシリア危機の解決のために重要な役割を果たした。アスタナ形式でテロとの闘いを継続し、できる限りのことを実行するため継続が必要と思っている。」と表明した。プーチン大統領は自身の利益に沿ってトルコとシリアの関係を正常化させる努力を続ける中、アスタナでのエルドアン大統領とプーチン大統領の会談の後、トルコとシリアの交流が実現すると予想されている。

◾️会談は未だ実現せず

エルドアン大統領は、7月3〜4日にトルコが対話パートナーである上海協力機構(ŞİÖ)首脳会議に参加する予定だ。サミットの空いた時間で会議に参加する指導者たちと二者会談を実現する予定である。エルドアン大統領は、この中で最も重要な会談をロシア大統領であるプーチン氏と実施する予定である。

エルドアン大統領がアスタナでアサド大統領と会談するとの主張がある中、公的情報筋からはこの話題に関連する情報発信は行われず、会談は未だ実現していない。外交筋から入手した情報によると、フィダン外相がシリア当局と近日中に計画した会談はない。

◾️「持続可能な平和」

上海協力機構(ŞİÖ)首脳会議第24回サミットは、同組織の現議長であるカザフスタン主催で首都アスタナで、「ŞİÖ+」という形式で開催される予定である。サミットには16カ国の国家、政府代表が参加することになっている。この会議には加盟国であるカザフスタン、中国、ロシア、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、イラン、インド、パキスタンの首脳が参加し、エルドアン大統領も参加する予定である。サミットにオブザーバー・対話パートナーとしてモンゴル、アゼルバイジャン、カタール、アラブ首長国連邦、トルクメニスタンの指導者も参加することになっている。「多面的な対話の強化:持続可能な平和と発展のための取り組み」と題して開催されるサミットで主要な議題は、現在の国際的・地域的問題の解決におけるŞİÖの役割強化となる予定である。

◾️「国益を守りながら大胆な政策を追求することが大切」

フィダン外相は、過日出演した生放送でシリアと関連して、次のような論評を行った。「シリアに関わる原則の点でに、ロシアと私たちがこれまで成し遂げた最も重要なことは、現時点で現体制と反体制の間で戦闘が継続していないということである。私たちが望んでいるのは、こうした衝突がない時代、静かな時代を、シリア政府は賢明に判断していただきたい、ということである。憲法問題を乗り越える上で、自身の反体制派と平和を迎える上で、国外に逃れ、去り、移住した数百万人もの人々を再び自国に戻らせる上で、国を再建し経済を復興させる上で、これほどの年月を生かして欲しいということである。しかし、十分に生かされていないと思う。シリア自身がこのことを実施する必要がある。当該地域にとってはもちろん、発展の点でも、重要であると感じている。難民の帰還の点で重要であると思う。僅かであれ以前よりも安定を取り戻し、現体制と反体制が統合したシリアが、特にクルディスタン労働者党(PKK)のテロとの戦いでより積極的に行動してくれることになると考えている。既述のように、シリアにおけるロシアの存在、イランの存在、イスラエルが継続的に戦闘行為を続ける様,様々な民兵の存在は、よりさらに問題を複雑にしている。この混沌とした中で、私たち自身の国益を守りながら絶えず大胆な政策を追求することが大切である。」


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翻訳者:鈴木啓太
記事ID:58265